障害者控除は、納税者本人か、同一生計配偶者・扶養親族が所得税法上の「障害者」に当たるときに、所得から一定額を差し引ける控除です。額は障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円の3区分。

障害者に当たるかどうかは、原則としてその年の12月31日の状況で判断します。

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3つの区分と額

区分控除額主な例(国税庁 No.1160)
障害者27万円身体障害者手帳に身体上の障害があると記載されている人(1級・2級を除く)、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人(1級を除く)など
特別障害者40万円身体障害者手帳の1級・2級、精神障害者保健福祉手帳の1級、12月31日時点で6か月以上寝たきりで複雑な介護を必要とする人など
同居特別障害者75万円特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族で、納税者や配偶者、生計を一にする親族と同居を常としている人

手帳がない人でも当たる場合があります。65歳以上で、障害の程度が手帳の人に準ずるとして市町村長や福祉事務所長の認定を受けた人がその例です。

計算例:税額がどれだけ減るか

控除は「所得から差し引く」もので、税額から直接引くものではありません。減る所得税は、控除額にその人の税率を掛けた額です。

たとえば課税される所得金額が250万円の人は、税率10%の区分です。本人が障害者なら27万円×10%=27,000円、特別障害者なら40万円×10%=40,000円、所得税が少なくなります。

このほかに復興特別所得税(所得税額の2.1%)も同じ割合で減ります。

がんの治療で関わる場面

がんの病名そのものでは、身体障害者手帳の対象になりません。

手術で永久的な人工肛門・人工膀胱を造った場合や、喉頭の摘出で声を失った場合などに手帳が交付されることがあり、そうなると障害者控除の対象になります。

手術が12月に近いと、年内に手帳が届かないことがあります。

国税庁の通達2-38は、申告書を出す時に手帳を申請中か、交付のための医師の診断書を持っていて、12月31日の時点で明らかに手帳を受けられる程度の障害があれば、障害者として扱ってよいという内容です。

寝たきりの区分も、がんの療養と無関係ではありません。通達2-39の定義では、6か月以上にわたって身体の障害で就床を要し、介護を受けなければ自分で排便などができない程度の状態が当たります。

判定は12月31日の現況です。

医療費控除との関係

障害者控除と医療費控除は別の控除なので、条件を満たせば同じ年に両方を使えます。障害者控除は額が決まっていて、医療費をいくら払ったかには関係しません。

人工肛門のストマ用装具の費用は、医師の証明書があれば医療費控除の対象になります。こちらは実際に払った額で計算します。

注意すること

  • 家族が対象の場合、配偶者は「同一生計配偶者」(令和8年分から合計所得金額62万円以下)、ほかの親族は扶養親族であることが前提
  • 障害者控除は、扶養控除の対象にならない16歳未満の扶養親族にも使える
  • 会社員は年末調整の扶養控除等申告書で、自営業の人は確定申告で申告する
  • 住民税にも障害者控除があるが、額は所得税と違う。住民税の額は市区町村に確かめる

手帳の対象になる障害、申請の流れ、ストーマ装具の給付はがんの治療と身体障害者手帳にまとめています。同じ年の医療費の申告は医療費控除の記事を見ましょう。