年齢と所得区分、入院する月ごとの日数と総医療費を入れてください。保険診療の分には高額療養費の上限をかけ、食事代・差額ベッド代・日用品などの実費は上限の外で足して、窓口で払う額の目安を月ごとに出します。
このページの内容
計算の結果
| 月 | 日数 | 保険診療の自己負担 | 食事代 | 差額ベッド代 | その他の実費 | 月の合計 |
|---|
このツールの計算のしかた
入院の請求は、保険がきく診療の自己負担と、保険がきかない費用に分かれます。ツールは月ごとに次の4つを足します。
| 費用 | 計算 | 高額療養費 |
|---|---|---|
| 保険診療の自己負担 | 総医療費×負担割合(3割など)と、その月の上限額の低いほう | 対象 |
| 食事代 | 1食の額×食事の回数(1日3食分まで) | 対象外 |
| 差額ベッド代 | 1日の額×日数(同意書に署名した場合だけ) | 対象外 |
| その他の実費 | 1日の額×日数 | 対象外 |
高額療養費の上限は、1日から月末までの暦の月ごとにかかります。同じ14日の入院でも、月の途中で退院すれば上限は1回、月をまたげば2回です。
上限に達した月が直近12か月で3回あると、4回目からは上限が「多数回該当」の低い額になります。
入院の前に、通院の治療で上限に達した月があれば、その数も入れましょう。限度額適用認定証やマイナ保険証で窓口の支払いが上限までになった月も、1回に数えます。
食事代、差額ベッド代、日用品などの実費は高額療養費の対象外です。上限を超えても戻らないので、ツールは上限をかけたあとに足しています。
総医療費の調べ方
総医療費は、保険がきく前の10割の医療費です。領収書の「保険点数」や「合計点数」に10円をかけた額で、5万点なら50万円になります。
これから入院する人の総医療費は、手術や検査の内容で大きく変わります。ツールは総医療費を推定しません。病院の入院窓口で、見込みの額を聞きましょう。
窓口で払った額しか分からない場合は、「入力する金額」を切り替えます。ツールが負担割合で割り戻して総医療費に直します。
総医療費が分かるなら、そちらを入れましょう。上限の計算に使う+1%の部分は、総医療費から出すからです。
区分ごとの上限額(2026年8月診療分から)
| 年齢 | 区分 | 窓口負担 | 月の上限額 | 多数回該当 |
|---|---|---|---|---|
| 70歳未満 | ア | 3割 | 270,300円+(総医療費−901,000円)×1% | 140,100円 |
| 70歳未満 | イ | 3割 | 179,100円+(総医療費−597,000円)×1% | 93,000円 |
| 70歳未満 | ウ | 3割 | 85,800円+(総医療費−286,000円)×1% | 44,400円 |
| 70歳未満 | エ | 3割 | 61,500円 | 44,400円 |
| 70歳未満 | オ(住民税非課税) | 3割 | 36,900円 | 24,600円 |
| 70歳以上 | 現役並みⅢ・Ⅱ・Ⅰ | 3割 | 70歳未満のア・イ・ウと同じ式 | ア・イ・ウと同じ |
| 70歳以上 | 一般 | 70〜74歳は2割、75歳以上は1割か2割 | 61,500円 | 44,400円 |
| 70歳以上 | 住民税非課税 | 70〜74歳は2割、75歳以上は1割 | 25,700円 | 24,600円 |
| 70歳以上 | 住民税非課税で所得が一定以下 | 70〜74歳は2割、75歳以上は1割 | 15,700円 | なし |
70歳以上の上限は、入院と外来を合わせた世帯ごとの額です。ツールは本人1人の入院の分だけで計算します。
区分の境目は加入先で違う書き方をしています。国民健康保険や後期高齢者医療は課税所得などで決まるので、市区町村の窓口で確かめましょう。
食事代の1食の額
| 区分 | 1食 | 30日・1日3食の場合 |
|---|---|---|
| 一般 | 550円 | 49,500円 |
| 難病・小児慢性特定疾病の患者 | 330円 | 29,700円 |
| 住民税非課税の世帯 | 270円 | 24,300円 |
| 住民税非課税の世帯で、過去1年の入院日数が90日超 | 220円 | 19,800円 |
| 70歳以上で住民税非課税、かつ所得が一定基準未満 | 130円 | 11,700円 |
一般の550円は2026年6月1日からの額です。住民税非課税の世帯が減額を受けるには、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が要ります。
区分オの人は、マイナ保険証を使う場合もこの申請が必要です。70歳以上の人は、手続きを加入先に確かめましょう。
計算例:14日の入院が月内で終わる場合と、月をまたぐ場合
70歳未満・区分ウの人が14日入院し、総医療費が70万円かかった例です。食事は1日3食、差額ベッドは使わない前提にします。
月をまたぐほうは、31日まである月の25日に入院し、翌月7日に退院して、医療費が半分ずつかかったとします。
| 項目 | 月内で終わる(10日〜23日) | 月をまたぐ(25日〜翌月7日) |
|---|---|---|
| 総医療費 | 70万円 | 35万円+35万円 |
| 保険診療の自己負担 | 89,940円 | 86,440円+86,440円=172,880円 |
| 食事代(42食×550円) | 23,100円 | 11,550円+11,550円=23,100円 |
| 合計 | 113,040円 | 195,980円 |
| 1日あたり | 約8,100円 | 約14,000円 |
月内で終わる場合の上限は、85,800円+(700,000円−286,000円)×1%=89,940円です。3割の21万円のうち、上限を超える分は払わずに済みます。
月をまたぐ場合は、各月の上限が85,800円+(350,000円−286,000円)×1%=86,440円です。上限が2回かかるので、自己負担は82,940円多くなります。
入院の時期は治療の都合で決まります。月をまたぐと分かったら、2か月分の支払いを見込んで準備しましょう。
仮に1日5,000円の個室に同意して14日入ると、70,000円が上の合計に加わります。金額は病院ごとに違い、ここでは計算のための仮の額です。
窓口での支払いを上限までにする
高額療養費は、いったん窓口で3割を払い、上限を超えた分があとで戻るのが基本の形です。マイナ保険証を使うか、限度額適用認定証を出せば、窓口での支払いがはじめから上限までになります。
ツールの「保険診療の自己負担」は、この上限までにした額です。手続きは限度額適用認定証とマイナ保険証にまとめています。
住民税非課税の人は、上限の区分と食事代の減額のどちらにも申請が関わります。入院が決まったら、早めに加入先へ申請しましょう。
このツールで計算していないこと
- 家族の分の合算(世帯合算):同じ健康保険の家族の自己負担を、同じ月に合わせられます。70歳未満は1つの医療機関でひと月21,000円以上の分だけが対象です。
- 健康保険組合の付加給付:健康保険組合や共済組合には、独自に上乗せをしているところがあります。その場合、実際の負担はツールの結果より少なくなります。
- 保険外の治療:先進医療の技術料や自由診療の費用は全額自己負担で、高額療養費の対象外です。ツールの入力には入れていません。
- 同じ病院の外来の分:入院と外来は別に計算します。入院の前後に通院して受けた検査の費用は、入力に含めないようにしましょう。
- 年間上限:2026年8月からの年間上限は当てはめていません。通院も含めた1年の計算は高額療養費の計算ツールで確かめられます(70歳未満)。
- 65歳以上の居住費:医療療養病床に入院した65歳以上の人は、食費に加えて居住費(1日430円)がかかります。ツールには入れていません。
- 公費の医療費助成:難病などの医療費助成を受けている人の自己負担の上限は、別の仕組みです。ツールは高額療養費だけで計算します。
- 入院中の年齢の変わり目:入院中に70歳や75歳を迎える人は、途中で加入先や負担割合が変わることがあります。区分は加入先に確かめましょう。
多数回該当の回数は、加入している健康保険が変わると引き継がれません。入院の前に退職や扶養の変更があった人は、前の12か月の回数を0として入れましょう。
よくある質問
入院した日と退院する日の食事は、何食で入れればいいですか?
食事代は出された食事の回数で決まり、1日3食分が限度です。入院した日や退院する日は、時刻によって3食に満たないことがあります。
回数が分かれば月ごとの欄に入れましょう。空欄なら日数×3食で計算するので、多めの見積もりになります。
差額ベッド代は必ず払うものですか?
料金が書かれた同意書に署名していなければ、払う必要はありません。治療上の必要で個室に入った場合も、請求できない決まりです。
詳しい線引きはがんの入院費用はいくら?で説明しています。差額ベッド代の日数の数え方は病院ごとに決めているので、入院の説明のときに確かめましょう。
1日あたりの目安は、何に使えますか?
民間の医療保険の入院給付金(日額)と並べると、自分で用意する額の見当がつきます。給付金が出る条件や日数は契約ごとに違うので、保険会社に確かめましょう。
結果どおりの額を請求されますか?
ツールは公表された上限の式と1食の額で計算した目安です。病院の請求は、点数の端数や実際の食事の回数で変わります。
正確な額は病院の入院窓口に、高額療養費の支給額は加入している健康保険に確かめましょう。
関連する解説
入院費の内訳と差額ベッドの同意書はがんの入院費用はいくら?、制度の仕組みは高額療養費制度(がん治療の場合)にまとめています。通院を含む1年の自己負担は高額療養費の計算ツールで計算できます。