医療扶助は、生活保護で受けられる8種類の扶助のひとつで、病気やけがの医療を保障するものです。費用は医療機関に直接支払われるため、本人が窓口で払う負担はありません。

医療扶助だけを受けることも、生活費の扶助と一緒に受けることもできます(生活保護法第11条第2項)。

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8つの扶助のなかの位置

生活保護法第11条の扶助は、生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8つ。必要なものを1つだけ、または組み合わせて受けます。

要介護者への居宅介護などは、医療扶助とは別の介護扶助で扱われます(第15条の2)。自宅で療養していて、医療と介護の両方を使う人は、2つの扶助を一緒に受けることになります。

医療扶助の範囲

生活保護法第15条は、医療扶助の範囲を次の6つと定めています。

番号範囲(法律の表現)
1診察
2薬剤又は治療材料
3医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
4居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
5病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
6移送

方法は、お金を渡すのではなく医療そのものを提供する「現物給付」が原則です(第34条第1項)。現物給付ができないときなどに限って、お金で給付することもできます(同項ただし書)。

医療は、生活保護法の指定を受けた医療機関(指定医療機関)などに委託して行われます(同条第2項)。

指定医療機関では、マイナンバーカードによる電子資格確認などで、医療扶助を受けている人だと確認を受けます(同条第5項)。

がんの治療で関わる場面

がんの治療は、通院でも入院でも年単位で続くことがあります。収入が途絶え、貯金を使い切ったあとも治療は続く、という状況で関わるのが生活保護です。

生活保護は世帯単位で、資産や働く力、年金や手当など、使えるものをすべて使っても最低生活費に届かないときに受けられます。親族の扶養も保護より先に考えられます。

国民健康保険の加入者が生活保護を受けると、国保の被保険者ではなくなります(国民健康保険法第6条第9号)。それ以降の医療費は、医療扶助でまかなわれることになります。

会社の健康保険に入ったまま保護を受ける場合の扱いは、福祉事務所に確かめましょう。

たとえば、国保に入っている自営業の人が治療で働けなくなった場合です。国保には原則として傷病手当金がないため、休んだ日の収入を補う公的な給付が、会社員に比べて少なくなります。

働き方ごとの違いは自営業の記事で説明しています。

注意すること

相談・申請の窓口は、住んでいる地域を受け持つ福祉事務所の生活保護の担当です。福祉事務所がない町村では、町村役場でも申請できます。申請書を出せない特別な事情があれば、申請書がなくても申請できます。

受けられるかどうかを決めるのは、申請のあとの資産・扶養・年金・就労の調査です。保護費の額は地域と世帯の人数で違うため、このページでは示しません。

事前の相談では、生活福祉資金などほかの制度を使えないかも一緒に検討されます。手前で使える制度の順番はお金が足りないときの記事にまとめています。