主治医意見書は、要介護認定の審査のために、主治医が病気やけがの状況、心身の状態を書く書類です。介護保険法第27条第3項にもとづき、市区町村が主治医に直接依頼します。
申請した人が医師に頼みに行ったり、作成料を払ったりする必要はありません。
ほかの「医師が書く書類」との違い
がんの治療中は、医師に書いてもらう書類がいくつも出てきます。誰が頼み、誰が費用を負担するかは書類ごとに違うため、表に並べました。
| 書類 | 何に使うか | 誰が医師に頼むか | 本人の費用 |
|---|---|---|---|
| 主治医意見書 | 要介護認定 | 市区町村 | なし |
| 傷病手当金の申請書の医師記入欄 | 傷病手当金 | 本人 | 保険診療として、ほかの医療費と同じ割合 |
| 民間の保険会社の診断書 | 保険金・給付金の請求 | 本人 | 自費(額は医療機関が決める) |
3つめの診断書は、公的な保険とは関係のない文書という扱いです。費用の扱いは診断書の費用の記事で説明しています。
申請から意見書ができるまで
申請のときに、主治医の名前と医療機関を市区町村に伝えます。市区町村はその医師に意見書を依頼する、という流れです。並行して、調査員が自宅や病院を訪ね、心身の状況を聞き取る認定調査も行われます。
意見書と認定調査の結果がそろうと、まずコンピュータによる一次判定。続いて介護認定審査会の二次判定です。結果は申請から30日以内に出すのが原則です。
主治医がいないときや意見を求めにくいときは、市区町村が指定する医師などの診断を受けるよう求められることがあります(第27条第3項ただし書)。
正当な理由なくこの診断を受けないと、申請が却下されることがあります(同条第10項)。
意見書が要るのは最初の申請だけではありません。有効期間が切れる前の更新(第28条第4項)と、状態が変わったときの区分変更(第29条第2項)でも、第27条の手続きが使われます。
主治医の意見も、そのつど求められるわけです。
新規の認定の有効期間は原則6か月です。半年後の更新でも医師に書いてもらうことになるので、転院したときは新しい担当医の名前を市区町村に伝えましょう。
がんの治療で関わる場面
介護が必要になった原因のがんを診ている担当医を主治医として伝えると、状態が審査に伝わりやすくなります。申請の前に、介護保険の申請をすることと、意見書の依頼が届くことを担当医に伝えておきましょう。
令和6年5月31日の厚生労働省の事務連絡は、がん等の人について、意見書の記載を傷病名や一次判定に必要な項目などに絞っても受け付けられる、としています。
書く量を減らして早く出せるようにするためで、採用するかは保険者(市区町村)の判断です。
40〜64歳の人は、介護が必要になった原因ががん(特定疾病)であることも審査されます。その判断の材料になるのが、この意見書です。
注意すること
意見書が医師から返ってこないと、認定は進みません。結果が遅いと感じたら、市区町村の窓口に意見書が届いているかを聞きましょう。
主治医の側に依頼が届いているかを、外来の受診の日に確かめるのも一つの方法です。
申請の全体の流れは介護保険の記事にまとめています。