標準報酬月額は、会社員や公務員の毎月の給与を、区切りのよい額に当てはめたものです。健康保険では第1級58,000円から第50級1,390,000円まで、50の等級があります。

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保険料の計算に使う額として知られていますが、がんの治療中にはもう2つの場面で関わってきます。高額療養費の所得区分と、傷病手当金の1日あたりの額です。

どうやって決まるか

もとになるのは「報酬月額」です。基本給に残業手当や通勤手当などを足した、税金を引く前の給与を指します。年3回以下の賞与は含めず、別に扱います。

報酬月額を等級表に当てはめた額が、標準報酬月額です。たとえば報酬月額が27万円以上29万円未満なら第21級で、標準報酬月額は28万円です。

決め直すのは、原則として年に1回。4月・5月・6月の3か月の報酬の平均で決め、その年の9月から翌年8月まで使います(定時決定)。

昇給や降給で固定的な賃金が変わり、3か月の平均が大きく変わったときは、途中でも改定されます(随時改定)。日本年金機構の説明では、2等級以上の差が目安です。

高額療養費の区分との関係

協会けんぽの高額療養費は、被保険者の標準報酬月額で区分を分けています。家族(被扶養者)の医療費も、被保険者の区分で上限が決まります。

標準報酬月額報酬月額の目安区分月の上限額(2026年8月〜)
83万円以上81万円以上ア270,300円+(総医療費−901,000円)×1%
53万〜79万円51万5千円以上81万円未満イ179,100円+(総医療費−597,000円)×1%
28万〜50万円27万円以上51万5千円未満ウ85,800円+(総医療費−286,000円)×1%
26万円以下27万円未満エ61,500円

標準報酬月額に27万円の等級はありません。26万円の次は28万円です。報酬月額が26万5千円の人は区分エ、27万5千円の人は区分ウ。

月1万円の給与の差で、月の上限が61,500円から85,800円台に変わります。

被保険者が住民税非課税なら区分オです。ただし、標準報酬月額が区分ア・イに当たる人は除きます。

がんの治療で関わる場面

休職して給与が下がっても、標準報酬月額はすぐには下がりません。定時決定か随時改定で決め直されるまで、前の額のままです。高額療養費の区分も、そのあいだは前の区分で計算されます。

傷病手当金の1日あたりの額は、支給開始日以前の12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、3分の2を掛けて出します。

計算例:12か月とも30万円なら、300,000円÷30=10,000円。×2/3で、1日6,667円です。詳しくは傷病手当金の記事にまとめています。

退職後に任意継続を選ぶと、保険料は退職時の標準報酬月額で計算します。ただし2026年度は32万円が上限です。

注意すること

  • 国民健康保険には標準報酬月額がありません。高額療養費の区分は前年の所得で決まります
  • 厚生年金保険の標準報酬月額は、健康保険とは別の等級表です(1等級8万8千円〜32等級65万円)
  • 自分の標準報酬月額は、給与明細の保険料から逆算するより、勤め先の担当部署か加入先の保険者に聞くほうが確実です

区分ごとの上限額の全体は高額療養費制度の記事で確かめましょう。