任意継続は、会社を辞めたあとも、それまで入っていた健康保険に個人で最長2年間入り続けられる仕組みです。
協会けんぽでは、被保険者期間が継続して2か月以上ある人が、退職日の翌日から20日以内に申し出ると加入できます。
任意継続の決まり(協会けんぽの場合)
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 入れる人 | 退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上 |
| 申出の期限 | 退職日の翌日から20日以内(20日目が土日祝なら翌営業日。郵送は必着) |
| 書類と窓口 | 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書を、住所地の協会けんぽ支部へ |
| 加入できる期間 | 2年間 |
| 保険料 | 退職時の標準報酬月額×都道府県の保険料率。会社負担がなくなり、在職中のおおむね2倍 |
| 保険料の上限 | 2026年度は標準報酬月額32万円で計算 |
| 納付 | 毎月10日まで。前納すると年4%(複利現価法)の割引 |
たとえば退職時の標準報酬月額が50万円だった人も、2026年度の保険料は32万円として計算されます。給与が高かった人ほど、上限の効果は大きくなる計算です。
40〜64歳の人は介護保険料が加わります。保険料率は都道府県で違うため、実際の額は住所地の支部で見積もってもらいましょう。
日付で見る任意継続
2026年10月31日に退職した人を例に、期限を並べます。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026年10月31日 | 退職日。会社の健康保険の資格はこの日まで |
| 2026年11月1日 | 任意継続の資格を得る日(翌日から20日の数え始め) |
| 2026年11月20日(金) | 申出書の提出期限。郵送はこの日に届いている必要がある |
| 2028年10月31日 | 2年間の加入期間の終わり。その後は国保か家族の扶養などへ |
20日は短い期間です。退職後の通院や体調の変化で手続きが遅れると、任意継続には入れなくなります。退職前に申出書を用意しておくと安心です。
がんの治療で関わる場面
任意継続の間も、病院の窓口で払う割合や高額療養費は在職中と同じです。治療が続いている人にとっては、加入先が変わらないため、手続きの切り替えが少なく済みます。
家族を被扶養者にしていた人は、任意継続でもそのまま扶養に入れておけます。被扶養者の分の保険料はかかりません。国民健康保険の保険料は世帯の人数でも変わるので、家族が多い人ほど比べる意味があります。
納めた保険料は、全額が社会保険料控除の対象です。収入が減った年の確定申告で差し引けます。
注意すること
- 任意継続の期間中に新しくかかった病気・けがには、傷病手当金も出産手当金も出ません。在職中から受けていた継続給付は別で、要件を満たせば受け取れます
- 保険料を納付期限までに納めないと資格を失います。半年分か1年分をまとめて納める前納にすると、納め忘れを防げます
- 就職して別の健康保険に入った、後期高齢者医療に入った、本人が希望した、などの場合も資格を失います
- 保険料は原則2年間変わりません。ただし料率の改定、40歳・65歳への到達、他の都道府県への転居では変わります
- 健康保険組合の任意継続は、上限や保険料が組合ごとに違います
国民健康保険の保険料は前年の所得などで決まります。退職した直後は在職中の所得で計算されるので、任意継続のほうが安い場合があります。逆の場合もあるので、両方を見積もって比べましょう。
国民健康保険・家族の扶養との比べ方はがんで仕事を辞める前に確認することに、国保の保険料の軽減は国民健康保険料(税)の減免と軽減にまとめています。