患者申出療養は、国内で未承認の医薬品などを保険外併用療養として使いたいとき、患者本人の申出を起点に国が審査する仕組みです。平成28年度に始まりました。

審査の目安は、前例のない医療なら申出から原則6週間、前例のある医療を別の医療機関で行うなら原則2週間です。

このページの内容

どんな仕組みか

保険外併用療養費の3つの枠(評価療養・患者申出療養・選定療養)の1つです。評価療養が国や医療機関の側から始まるのに対し、患者申出療養は患者の申出から手続きが始まります。

費用の扱いは評価療養と似ています。

部分扱い
患者申出療養に係る費用(未承認薬等の費用など)全額自己負担
一般の診療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)保険が使える。70歳未満は3割の一部負担金

対象になるのは、将来的に保険適用をめざす計画が立てられ、そのために必要なデータや科学的根拠があるものです。計画や根拠がない医療は、申し出ても対象になりません。

計算例:費用の分かれ方

仕組みを見るための仮の数字で計算します。患者申出療養に係る費用が30万円、共通する部分の医療費(10割)が50万円だったとします。

部分金額患者が払う額
患者申出療養に係る費用30万円30万円(全額)
共通する部分50万円3割の15万円(高額療養費の対象)

15万円のほうは、所得区分ごとの上限を超えれば高額療養費で軽くなります。30万円のほうは、どれだけ高くても高額療養費では軽くなりません。

申出から実施までの流れ

順番すること相手
1まず相談する主治医(かかりつけ医)
2実施できるかを相談する臨床研究中核病院、または窓口機能のある特定機能病院
3臨床研究中核病院が作る書類を添えて、患者が国に申し出る国
4国の会議で審査される(原則6週間、前例があれば原則2週間)国

申出をするのは患者本人です。未成年者や成年被後見人の場合は、法定代理人が代わりに提出できます。

がんの治療で関わる場面

国内で承認されていない医薬品の情報に触れて、使えないかと考えたときにこの言葉が出てきます。使うかどうかは主治医と相談して決めることで、このサイトでは治療の良し悪しには触れません。

既に行われている先進医療で、実施計画の対象から外れる人や、身近な医療機関で受けたい人も、この制度の対象として想定されています。

費用の面で押さえたいのは、全額自己負担になる部分が高額療養費の外にあることです。高額療養費の上限で収まるのは、共通する部分の一部負担金だけです。

注意すること

  • 申出の前に、全額自己負担になる部分の金額を医療機関に確かめる
  • 審査の期間は目安。実施できる医療機関が決まるまでの時間もかかる
  • この制度を通さずに未承認薬を保険診療と一緒に使うと、混合診療として保険の部分まで全額自己負担になる
  • 領収書は、保険の部分と保険外の部分を分けて保管する

保険外の医療を一緒に受けたときの費用の全体像は自由診療を勧められたらに、評価療養の中心である先進医療の費用は先進医療の費用と保険にあります。