高額介護サービス費は、介護保険のサービスに払った1か月の自己負担が上限を超えたとき、超えた分を払い戻す仕組みです。医療の高額療養費の介護版にあたります。

上限は世帯の所得で決まり、市区町村民税が非課税の世帯なら月24,600円です。

このページの内容

所得ごとの月の上限

区分1か月の上限
課税世帯で、課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)
課税世帯で、課税所得380万円以上690万円未満93,000円(世帯)
課税世帯で、課税所得690万円以上140,100円(世帯)
市区町村民税の世帯非課税24,600円(世帯)
世帯非課税のうち、公的年金等の収入とその他の合計所得金額の合計が82.65万円以下24,600円(世帯)・15,000円(個人)
生活保護を受けている人など15,000円(個人)

課税世帯の3つの区分は、同じ世帯の65歳以上の人の課税所得で分けます。どの区分になるかは市区町村が判定します。

計算例

例:市区町村民税が非課税の世帯で、要介護5の人が在宅サービスを上限いっぱい(1単位10円で362,170円分)使った月です。

1割負担で36,217円。世帯の上限は24,600円なので、差の11,617円が戻ります。

同じ使い方でも、課税所得380万円未満の課税世帯なら上限は44,400円です。36,217円は上限より少ないため、払い戻しはありません。

1人分だけでは上限に届かない月も多く、所得が低い世帯や、同じ世帯で2人以上が介護保険を使う月に払い戻しが出やすくなります。

2人の例も見ておきましょう。課税所得380万円未満の課税世帯で、夫婦とも1割負担。夫が要介護4の上限いっぱいで30,938円、妻が要介護2の上限いっぱいで19,705円を払った月です。

世帯の合計は50,643円。上限の44,400円との差、6,243円が戻ります。

がんの治療で関わる場面

自宅で療養する期間は、医療費と介護費を同じ月に払うことになります。医療の自己負担は高額療養費、介護の自己負担は高額介護サービス費。それぞれに月ごとの上限があります。

両方を払い続けると、1年でまとまった額になるでしょう。毎年8月から翌年7月までの1年間の医療と介護の自己負担を合計し、基準額を超えた分が戻る仕組みが「高額医療・高額介護合算療養費」です。

70歳未満の基準額は、所得の区分により34万円から212万円まで。合算できるのは同じ医療保険に入っている世帯の人の分で、医療と介護のどちらかが0円なら支給されません。

70歳未満の医療の負担は、医療機関ごと・入院と通院ごとに21,000円以上のものだけを数えます。申請先は介護保険の窓口ではなく、加入している医療保険(協会けんぽの支部など)です。

40〜64歳の人は、介護保険の自己負担が所得にかかわらず1割です。医療の負担とあわせた全体像は在宅療養の記事で説明しています。

注意すること

払い戻しは市区町村への申請が必要です。対象は月々の利用者負担で、福祉用具の購入費や、食費・居住費など一部の費用は含まれません。

区分支給限度基準額を超えて全額を払った分が対象になるかは、厚生労働省の案内に明記がありません。超えた月があれば、申請のときに市区町村に確かめましょう。

手続きの流れは介護保険の記事、医療の上限は高額療養費の記事にまとめています。