付加給付は、健康保険組合や共済組合が、法律で決まった給付に上乗せして独自に出す給付です。健康保険法第53条は、健康保険組合が「規約で定めるところにより」ほかの給付を行えると定めています。

このページの内容

上乗せがあるか、いくらか、いつまでかは、組合ごとに違います。このページで説明するのは、額ではなく確かめ方です。

加入先ごとの違い

加入先付加給付の根拠確かめる先
健康保険組合(大企業など)健康保険法第53条・組合の規約勤め先の健康保険組合
共済組合(公務員・教職員)国家公務員共済組合法第51条・地方公務員等共済組合法第54条(「附加給付」と書く)所属の共済組合
協会けんぽ(中小企業など)第53条は健康保険組合についての条文で、協会けんぽは対象外なし
国民健康保険傷病手当金も法律上は任意の給付(第58条第2項)住んでいる市区町村

まず、自分の加入先がどれかを確かめましょう。わからなければ、勤め先の担当部署に聞くのが早道です。

具体例:どこに上乗せされるか

例:区分ウの人で、総医療費100万円の月。高額療養費を当てはめたあとの自己負担は92,940円です。付加給付のある組合では、ここからさらに払い戻しを受けられることがあります。

傷病手当金も同じです。健康保険組合の加入者で、標準報酬月額30万円が12か月続いた人なら、法律で決まった額は1日6,667円。組合の規約によっては、これに上乗せがあります。

共済組合の傷病手当金は、もとの額の計算から違います。標準報酬の月額を22で割るため、30万円なら1日9,093円です。附加給付は、この額とは別に組合が定めるもの。

上乗せの額や期間は、どれも組合の規約しだいです。同じ会社グループでも、組合が違えば中身が違います。

「大企業の健康保険組合なら必ずある」と思っていませんか。条文は「行うことができる」で、義務ではありません。付加給付を設けていない組合もありえます。

がんの治療で関わる場面

治療が長く続くと、月々の自己負担がどこで止まるかで家計の見通しが変わります。医療費に上乗せがある組合なら、高額療養費の計算ツールで出した額より、実際の負担は少なくなります。

民間のがん保険を検討するときや、貯蓄でいくら備えるかを考えるときも、先に付加給付の有無を知っておくと見積もりが変わります。

退職したあとの扱いを決めるのも、組合の規約です。退職後も続くか、資格を失った時点で終わるか。退職を決める前に確かめておきたい点です。

休職のあいだも、組合の加入者であることは変わりません。上乗せに期間の上限があるかを、あわせて聞いておきましょう。

注意すること

  • 付加給付があるか、高額療養費・傷病手当金のどちらに上乗せされるか
  • 申請が必要か、組合が自動で計算して払うか
  • いつ振り込まれるか(高額療養費のあとか、同時か)
  • 退職後や任意継続のあいだも対象になるか

組合のホームページか、勤め先の担当部署で聞けます。傷病手当金のしくみは傷病手当金の記事、公務員の場合は公務員の記事にまとめています。