事後重症は、障害認定日の時点では障害年金の等級に当たらなかった人が、その後に病状が重くなって等級に当たるようになったときに使う請求です。
年金は請求した月の翌月分から出ます。65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。
障害認定日による請求との違い
| 障害認定日による請求 | 事後重症による請求 | |
|---|---|---|
| 使う人 | 障害認定日に等級に当たる状態だった人 | 認定日には当たらず、その後に当たるようになった人 |
| いつの分から | 障害認定日の翌月分から | 請求した月の翌月分から |
| さかのぼり | 時効により5年分まで | なし |
| 請求の期限 | 認定日以降いつでも | 65歳の誕生日の前々日まで |
事後重症では、請求が1か月遅れると、受け取れる年金が1か月分減ります。等級に当たる状態になったと思ったら、早めに動くことが額に直結します。
たとえば障害基礎年金2級(年額847,300円)なら、月あたりにすると約70,608円です。請求を3か月先延ばしにすると、約21万円分を受け取れない計算になります。
1級(年額1,059,125円)なら月あたり約88,260円で、3か月で約26万円です。2級より差が大きくなります。
65歳の期限を日付で見る
「65歳の誕生日の前々日まで」は、数え間違えやすい期限です。誕生日ごとに並べると次のようになります。
| 誕生日 | 65歳の誕生日 | 事後重症の請求期限 |
|---|---|---|
| 1962年5月10日 | 2027年5月10日 | 2027年5月8日 |
| 1963年1月20日 | 2028年1月20日 | 2028年1月18日 |
障害認定基準も、65歳に達する日の前日までに等級に当たり、かつその日までに請求した場合に支給すると定めています。60代前半で病状が変わった人は、期限が近いことを意識しておきましょう。
がんの治療で関わる場面
初診日から1年6か月のころは、手術のあと仕事に戻れていた。ところが数年後に再発し、体力が落ちて日常生活に介助が必要になった。がんでは、このように認定日より後に状態が変わることがあります。
この場合、障害認定日の時点では等級に当たらないので、障害認定日による請求はできません。悪化した時点で、事後重症として請求します。
再発・転移で初診日がもとのがんの受診日になる場合は、障害認定日もそこから1年6か月後です。認定日がずっと前になるため、事後重症の請求になる場面が出てきます。初診日の考え方は年金事務所で確かめましょう。
悪性新生物の認定基準は、日常生活の状況などで総合的に認定するとしています。どの程度で等級に当たるかの判定は日本年金機構が行います。
注意すること
- 初診日の時点で保険料の納付要件を満たしていることが前提です。悪化した時点ではなく、初診日で見ます
- 65歳の誕生日の前々日を過ぎると、事後重症の請求はできなくなります
- 障害認定日のころに受診していて、当時も等級に当たる状態だった可能性があるなら、認定日による請求ができないかも年金事務所で相談しましょう
- 診断書を頼む前に、年金事務所に相談するよう日本年金機構は案内しています
請求書類の種類と窓口はがんでも障害年金はもらえるに、診断書の費用は診断書の費用と取り方にまとめています。