資格喪失後の継続給付は、退職して健康保険の被保険者でなくなったあとも、傷病手当金を支給期間の残りまで受け取れる仕組みです。

条件は、被保険者期間が継続して1年以上あることと、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であることの2つです。

このページの内容

「資格喪失」と「継続」の意味

会社の健康保険の資格は、退職日の翌日に失われます。これが資格喪失です。本来、傷病手当金は被保険者に出る給付なので、資格を失えば止まります。

例外として、在職中から受けていた人には、退職後も同じ病気で働けない間は支給が続きます。在職中の受給をそのまま引き継ぐので「継続」給付という名前です。

条件確かめる中身
被保険者期間退職日まで継続して1年以上。任意継続、共済組合の組合員、国民健康保険だった期間は数えない
退職日の状態傷病手当金を受けている、または待期を終えて受けられる状態にある
退職後同じ病気で仕事に就けない状態が続いている

受け取れる額と期間の例

額は在職中と同じで、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均をもとに計算します。期間は支給開始日から通算して1年6か月なので、在職中に受けた日数を引いた残りが上限です。

たとえば標準報酬月額が12か月とも24万円の人は、24万円÷30=8,000円、その3分の2で日額5,333円です。

在職中に3か月受けてから退職した場合、残りのおよそ1年3か月分を退職後に受け取れる計算になります。

がんの治療で関わる場面

治療が長引き、休職期間の満了が近づいて退職を考える。継続給付が問題になるのは、たいていこの場面です。継続給付の条件を満たしているかどうかで、退職後の収入が大きく変わります。

見落としやすいのが退職日の過ごし方です。協会けんぽは、退職日に出勤すると継続給付の条件を満たさず、翌日以降は支給されないと案内しています。

あいさつのための出社でも、出勤の扱いになるかどうかを先に確かめましょう。

任意継続に入るかどうかは関係ありません。国民健康保険に移っても、家族の被扶養者になっても、条件を満たしていれば受け取れます。

退職の前後の過ごし方で、結果は次のように分かれます。

退職前後の状態退職後の傷病手当金
休職中に待期を終え、退職日も休んでいる条件を満たせば残りの期間を受け取れる
最後まで休まずに働き、退職後に療養を始めた在職中に受けられる状態でなかったので対象外
休職していたが、退職日に出勤した退職日の翌日以降は支給されない
退職後、一時的に働ける状態に戻ったそこで終わり。再び働けなくなっても再開しない

2つ目の例は勘違いしやすい点です。退職してから治療に専念するつもりでも、在職中に待期を終えていなければ、退職後の分は出ません。休み始める日と退職日の順番を、先に決めておきましょう。

注意すること

  • 一度でも仕事に就ける状態になると、その後また働けなくなっても継続給付は再開しません
  • 退職後に老齢年金を受けると、傷病手当金は止まります。年金額の360分の1が日額より低いときは差額が出ます
  • 入社から1年未満の人は、前の勤務先の期間を合わせて数えられるかを加入先に確かめましょう
  • 健康保険組合の付加給付が退職後も続くかは、組合の規約によります

退職日を決める前に確かめることの一覧はがんで仕事を辞める前に確認することに、計算の詳しい決まりは傷病手当金(がんの場合)にまとめています。