選定療養は、保険外併用療養費の3つの枠の1つで、患者が自分で選んだ快適さや利便性の分を追加料金として払うものです。

個室の差額ベッド代、紹介状なしで大病院にかかったときの特別の料金(初診7,000円以上・再診3,000円以上)などが入ります。追加料金は全額自己負担ですが、通常の診察や入院の分には保険が使えます。

このページの内容

選定療養に入るもの

厚生労働省と協会けんぽの資料では、選定療養として次のものが挙げられています。

項目どんなときにかかるか
特別の療養環境(差額ベッド)個室など特別療養環境室を、同意書に署名して使ったとき
予約診療・時間外診療予約制の診療や、診療時間外の受診を自分の都合で選んだとき
大病院の初診・再診紹介状なしで特定機能病院などにかかったとき、他院への紹介状を受けたのに同じ病院を受診したとき
180日を超える入院入院が180日を超えたとき
制限回数を超える医療行為保険で認められた回数を超えて受けたとき
長期収載品対象の医薬品を、患者の希望で使ったとき

評価療養が「将来保険に入れるかを評価する医療」であるのに対し、選定療養は保険導入を前提としません。医療の中身ではなく、受け方の選び方に料金が付くと考えるとわかりやすいでしょう。

計算例:紹介状なしで大病院を受診した

紹介状を持たずに一般病床200床以上の地域医療支援病院などを初めて受診し、保険診療の医療費が1万円(10割)だったとします。

内訳患者が払う額
保険診療の一部負担金(3割)3,000円
特別の料金(初診・医科)7,000円以上(病院が決める)
合計10,000円以上

特別の料金は「この額以上」と決まっていて、これより高く設定している病院もあります。今の額の適用は令和4年10月1日からです。

他の医療機関への紹介状を受け取ったのに同じ病院を再診したときは、3割負担とは別に3,000円以上がかかります。

救急の患者や、国の公費負担医療を受けている人からは、この料金を求めてはならないとされています。

がんの治療で関わる場面

がんの検査や治療では、大きな病院にかかる場面や入院する場面が多く、選定療養の料金に出会う機会も増えるでしょう。

セカンドオピニオンや転院で別の大病院に行くときは、紹介状があるかで特別の料金がかかるかが変わります。

入院では、個室の差額ベッド代が代表です。患者の同意書がない場合や、治療上の必要で個室に入れた場合には、料金を求めてはならないと厚生労働省の通知に定められています。

注意すること

  • 選定療養の追加料金は高額療養費の対象外。上限の計算に入らない
  • 医療費控除での扱いは項目で違う。自分の都合で選んだ個室の差額ベッド料は対象外、長期収載品の特別の料金は対象
  • 長期収載品の特別の料金は、マイナポータルの医療費通知情報に含まれない。領収書から明細書を作る
  • 料金は院内に掲示されている。説明と同意を経てから請求される

入院中の自費の全体と同意書の読み方はがんの入院費用、大病院の特別の料金はセカンドオピニオン・転院にかかるお金で詳しく扱っています。