多数回該当は、高額療養費を受けた月が直近12か月に3か月以上あると、4か月目から月の上限額が下がる仕組みです。70歳未満で年収約370〜770万円の人(区分ウ)なら、上限は44,400円になります。
2026年8月の改正で月の上限額は上がりましたが、多数回該当の額は据え置かれました。
どれだけ下がるか
| 区分(70歳未満) | 通常の月の上限 | 多数回該当 |
|---|---|---|
| ア | 270,300円+1% | 140,100円 |
| イ | 179,100円+1% | 93,000円 |
| ウ | 85,800円+1% | 44,400円 |
| エ | 61,500円 | 44,400円 |
| オ | 36,900円 | 24,600円 |
計算例:区分ウで、総医療費60万円の月が続く場合。1〜3か月目の上限は85,800円+(600,000円−286,000円)×1%=88,940円です。
4か月目からは44,400円。ひと月あたり44,540円軽くなり、半年続けば4〜6か月目の3か月だけで133,620円の差です。
定額の区分エでは、61,500円が44,400円になります。差は月17,100円です。
回数の数え方
- 数えるのは、その月を含めた直近12か月です。連続していなくても、12か月の中に3か月あれば4回目から下がります
- 限度額適用認定証やマイナ保険証で、窓口の支払いが最初から上限までになった月も1回に数えます
- 上限に届かず、高額療養費が出なかった月は数えません
- 70〜74歳の人が、外来だけの個人の上限で高額療養費を受けた回数は数えません
たとえば1月・2月・5月に上限に届いた人は、9月にまた届けば多数回該当です。12か月の中に3回あるからです。
がんの治療で関わる場面
手術のあとに通院の治療が続く、再発して治療を再開する。こうした場面で、4回目からの負担が軽くなります。
一方で、回数は同じ保険・同じ被保険者で数えます。転職して健康保険組合から協会けんぽに移った、退職して家族の扶養に入った。こうした変化があると、それまでの回数は通算されません。
治療中の退職や転職を考えるときは、移った先で1回目から数え直しになることを、家計の見通しに入れておきましょう。
年間上限との関係
多数回該当で下がったあとも、合計が年間上限を超えれば、その分は戻ります。
計算例:区分ウで、8月から翌年7月まで総医療費60万円の月が12か月続いた場合。3か月×88,940円+9か月×44,400円=666,420円です。
年間上限の53万円を超えた136,420円が、あとから戻る計算になります。
協会けんぽでは、年間上限の分の申請は2027年8月から受け付ける予定です。
注意すること
- 2026年8月からは年間上限もあります。多数回該当は直近12か月、年間上限は8月から翌年7月までで、区切り方が違います
- 2027年8月からは、年収約200万円以下の区分で多数回該当が34,500円に下がる予定です
- 協会けんぽは、多数回該当を「同一被保険者で適用」と説明しています。家族の受診や世帯合算の月がどう数えられるかは、加入先に確かめましょう
多数回該当と年間上限を合わせた1年間の負担は、高額療養費の計算ツールで出せます。