胃がんと大腸がんと同じように、粘膜内にとどまっていてほかに転移がない食道がんは、「内視鏡的粘膜切除(EMR)」と呼ばれる内視鏡治療で切除することができます。
病期(ステージ)分類でいうと0期のがんです。早期の食道がんは、凹凸がありませんから、粘膜下層に注射針で食塩水を入れて病変を浮き上がらせてからワイヤをかけて締めつけ、高周波電流を流して粘膜と粘膜下層を焼き切ります。
食塩水を入れるところから、ワイヤをかけて焼き切り、病変を取り出すまで、すべての操作はモニターを見ながら内視鏡で行います。眠くなる薬や軽い麻酔薬を注射してから行いますから、痛みを感じることはほとんどありません。また、ITナイフと呼ばれる電気メスで粘膜下層を剥離して病変を切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術」を行っている病院もあります。
しかし、基本的にはEMRとほぼ同じです。内視鏡治療の場合は、がんのある部分を取ったとしても、少し時間がたつとまた元通りに粘膜で覆われます。食道がんの手術は、体への負担が非常に大きく、体重が減り、食事をおいしく感じなくなることが多いので、手術を受けずに内視鏡治療だけで対処できるのがベストです。
ただ、内視鏡治療で切除した病変に調べて、最初の診断よりがんが進んでいることが分かれば、改めて手術などほかの治療が必要なこともあります。内視鏡治療で治るかどうか、専門家の中でも意見が分かれるのが粘膜下層までがんが潜っている場合です。
粘膜下層まで広がっているがんの場合、リンパ節転移している危険性は10%といわれます。リンパ節転移があるかどうかが、治療前の検査で分かればよいのですが、残念ながら、現在の診断技術では最終的には手術で切ってみなければ分かりません。ですから、たとえ10%でも、リンパ節転移の危険性があるのなら、開腹手術を勧めるというのが一般的です。
最近では、手術せずに抗がん剤と放射線治療を併用して行う放射線化学療法も行われていますが、副作用や後遺症が強いという欠点もあり、ケース・バイ・ケースで治療法を選ぶべきだといえます。
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