「野菜や果物のがん予防効果が、最近の研究では、はっきりしなくなっている」というデータが、2OOO年から2OO1年にかけて、3件報告されました。
2OO1年2月14日の「米国医師会雑誌」に報告された、乳がんについての国際共同研究では、米4カ国で行われている8つの前向きコホー卜研究に参加している35万1825人の女性に対して、野菜や果物の摂取を調べました。その後5~10年間の追跡調査を行ったところ、7377人が乳がんになりました。
その結果、野菜でも、果物でも、野菜と果物を合わせてみても、摂取量が多いグループと、少ないグループで、乳がんの発生率に差がありませんでした。また、2OOO年11月の「米国立がん研究所雑誌」に掲載された、大腸がんと肺がんについての、ハーバード大学の研究では、米国の看護婦と男性医療職(歯科医や薬剤師など)合わせて約13万人に対して、野菜や果物の摂取を調べました。
その後10~16年追跡したところ、937人が結腸がん、244人が直腸がん、793人が肺がんになりました。その結果、結腸がんと直腸がんでは、野菜、果物、野菜と果物の合計のいずれでも、リスクの低下を認めませんでした。
肺がんでも、対象者全体の結果は同様で、女性と、男女の非喫煙者に限って、野菜と果物あわせて多く食べるグループで、統計的に意味のないリスクの低下があっただけでした。世界がん研究基金の報告書「食物・栄養とがんの予防」では、野菜の予防効果について、大腸がんと肺がんは「確実」、乳がんは「おそらく確実」と判定しています。
果物の予防効果については、肺がんは「確実」、乳がんは「おそらく確実」、大腸がんはまだ研究が少なくて「判定不能」と評価しています。報告された3つの研究はこの判定と、多くの点で矛盾する結果だったわけです。
これらの研究だけで、野菜や果物のがん予防効果が否定されたとは言えません。がん予防のために野菜や果物の摂取を心がけるのを、やめる必要もないでしょう。それでも、がんと栄養をめぐる研究の世界では、激しい変化が起こっているのは確かです。
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