食道がんがあると、食道以外にも複数の場所にがんが発生していることがあります。ほかの臓器にもがんが見つかることがあるため、がんの重複に注意が必要です。
食道がんでは、食道のあちこちに、同時にがんが発生しているケースが少なくありません。複数のがんを同時に発見することもありますが、あとから見つかることもあります。同時に発見されたものを、同時性多発がん、あとから発見される場合を、異時性多発がんといっています。
同時にできやすいのは、食道内だけではありません。同時に、あるいは前後して、ほかの臓器にもがんが発見されることがあります。これを重複がんといいます。
食道がんが見つかったら、ほかの部位にもがんができやすい状態であることを自覚しましょう。
・重複が多いのは胃や咽頭、喉頭
のどや胃など、酒やたばこなどの危険因子が、食道と同様に刺激する部位に、がんが重複しやすくなります。以下のようながんには、注意が必要です。がん名についた数字は、重複がんで多い順番です。
①胃がん
食道がんとの共通リスクはそれほどないが、喫煙は大きな危険因子になる。重複がんとして日本人に最も多いのは、日本人に胃がんが多いことも関係していると思われる。
②咽頭・喉頭がん
口・鼻から食道へとつながる管が咽頭、のどの奥から気管へと通じる空気の通り道が喉頭。飲酒や喫煙などの危険因子が共通している。咽頭・喉頭がんは治りにくいため、早期発見のための定期検診が欠かせない。
③大腸がん
大腸は、食道からつながる消化管として、飲酒のリスクが共通している。喫煙も大腸がんの危険因子のひとつ。特に肉食を好む人は定期検診が必要。
④肺がん
いうまでもなく喫煙は肺がんの大きな危険因子。肺がんのと重複を防ぐためにも、禁煙は欠かせない。
・・・
がん治療に悩んだら・・・
「がん治療のガイドブック」を無料でプレゼントしています。
詳しくはこちら