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電磁波(電気毛布)と乳がんリスク

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電気毛布から発生する電磁界によって、乳がんリスクが高まる可能性が言われていましたが、米国の看護婦を対象にした大規模な調査では、はっきりしたりスクの上昇はありませんでした。

ハーバード大学のグループによるこの研究は、「米国疫学雑誌」2OOO年7月1日号に報告されました。電磁波と乳がん発生のメカニズムとして、電磁界への暴露→メラトニン(松果体ホルモン)の分泌抑制→エストロゲンレベルの上昇→乳がんリスクの上昇という経路などが想定されていました。

電磁界の発生源として、屋外の送電線や屋内の電化製品などがあります。電気毛布によって生ずる電磁界は、睡眠中の長時間にわたり、直接身体をさらすことになるので、発生源として重要です。

そこで研究グループでは、電気毛布の使用歴と乳がんとの関係に注目して、調査を行いました。1976年に開始された、米国の看護婦を対象とする大規模な追跡調査の一環として、8万7000名に対する質問票調査を1992年に行い、研究開始以前の時期からの電気毛布の使用歴についてたずね、2通りの解析をおこないました。

電気毛布を定期的に使った経験があるのは、対象者の42%で、年に6カ月間、月に1週間以上、毎日6時間程度というのが、平均的な使用状況でした。分析の結果、定期的な使用歴がない者と比べた場合の乳がんリスクは、定期的な使用歴がある女性では8%高く、1976年以前に使用していた女性では11%高かったが、統計的に意味のある結果ではありませんでした。

また、電気毛布の使用期間が長くなるほどリスクが上昇するような傾向もみられませんでした。また、乳がん症例を閉経の前後で分けても、同様の結果でした。こうした結果から研究者らは、電気毛布による乳がんリスクのわずかな上昇を否定することはできないものの、全体としては、両者の関連を支持する結果ではなかったと結論しています。

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