食道がんの手術は、かなり体への負担が大きいのは事実ですがしかし、手術治療で病巣をすべて取り除くことができれば、それは最大のメリットともいえます。
開腹手術は、食べ物が最初に通過する大事な食道の一部とがんの周囲の正常な部分まで取ることになりますから、食欲や体力が落ちることは確かですが、I期、Ⅱ期、Ⅲ期の患者にとって重要な治療法は、開腹手術だといえます。
手術では、がんのある食道と転移かあると見られるリンパ節を取り除きます。食道のどの部分を切除するかは、頸部、胸部、腹部のどこにがんができたかによります。胸部食道にがんができた場合には、リンパ節への転移が起こりやすいので、頸部、胸部、腹部すべてのリンパ節を取り除くことになります。
胸部食道は、範囲が広く、心臓、肺など生死にかかわる重要な臓器に近いため、より難易度が高く、手術も大がかりなものになります。頸部、腹部食道にがんがある場合でも同じですが、食道がんの開胸開腹手術は、手術自体で命を落とす危険のある難易度の高い治療法ですから、手術症例数の多い病院で治療を受けるようにしましょう。手術によって命を落とす危険性は、この手術に慣れた病院では1~3%程度といわれます。
合併症として、肺炎、肺水腫、縫い合わせたときに漏れが出る縫合不全、肺動脈塞栓症(エコノミークラス症候群)などがあります。特に、肺炎は20%という比較的高い確率で起こりますが、命を落とすようなケースは昔に比べると減ってきています。
また、どの部分を切除しても、食道の一部を切除してしまうわけですから、もともとの食道の代わりに食べ物の通る道を作り直さなければなりません。一般的には、胃や小腸、大腸の一部を切除して筒型にし、残った食道と胃につなげて食べ物の通り道を再建します。新たに再建した食道は、生まれながらに授かったもとの食道と同じというわけにはいきません。食べ物が再建した食道につかえてしまったり、逆流したりということがしばしば起こります。
食欲不振や体重の減少は避けられませんが、手術後は、1日3食ではなく5食、6食にして少しずつ食べるなど、工夫をしてみるとよいでしょう。
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