乳がん治療のガイドラインでは、リンパ節転移の有無にかかわらず、3cm以下の乳がんが乳房温存療法の適応とされています。しかし、がんの大きさはそれほど厳密なものではありません。
がんを切除しても乳房が大きくてあまり変形しないのであれば、4~5cmのがんでも乳房温存療法は受けられます。要は、乳房をきれいな形で残せるかどうかかポイントです。
あまりに変形が大きければ、今は「乳房再建術」も進んでいます。乳房を無理に温存するより、乳房を切除して再建したほうがきれいに治る場合もあるのです。
以前は、がんの病巣が乳頭から何cm離れていること、といった条件がありましたが、現在ではこうした部位の制約もなくなっています。一方、5cmを超えるようながんでも、今は術前化学療法を行ってがんが小さくなれば、乳房温存療法が受けられます。
ただし、この場合、小さくなり方が問題になります。中心に向かって縮小した場合は、正常な組織とがんの境目がはっきりしているので温存療法が可能です。
反対に、枝分かれしたり、蜂の巣のような形で小さくなると、正常な組織との境目がよくわからないので、温存療法には向きません。術前化学療法で縮小させてから温存療法を行う場合も、方法はまったく同じです。
※乳房温存療法が向かない人
乳房温存療法が向かないのは、
1.乳房が小さくてがんが大きい人、
2.放射線治療が必須の治療なので、妊娠中だったり、
重い膠原病があるなど、放射線治療を行えない人です。
また、がんが小さくても離れて複数ある場合も、傷がいくつもできてしまうので温存療法には向きません。マンモグラフィで小さな石灰化が広い範囲に散らばっている場合も、取り切ることが難しいので、乳房温存療法は不向きです。こうした場合は、乳房温存療法ではなく、乳房切除術などの方法を考えます。
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