正常な脳の血管には、血液脳関門という異物を止めるしくみが存在します。
これは、脳の血管のバリアー(障壁)構造です。脳の血管では、内皮細胞と内皮細胞の間の接着がふつうの毛細血管よりしっかりしており、またその外側の基底膜という組織が、他の組織よりも厚いのです。
さらに、そのまわりを神経細胞の一種のアストロサイトが取り巻いています。そのため、ふつう物質は脳の血管の壁を通り抜けにくいのです。ところががん細胞は、血管の内部に結びつきやすく、しかもたんぱく質の分解酵素プロテアーゼを出すことがあります。
この物質は血管の内皮細胞と内皮細胞の細胞接着の強さを下げます。また基底膜もたんぱく質なので、プロテアーゼによって壊れてしまいます。そこで、脳の細い血管に10個くらいがん細胞が固まって詰まると、がん細胞はバリアーを通り抜けなくても、その中で増え始めるのです。
さらにいったんプロテアーゼをつくるようになると、がん細胞はバリアーをじわじわと壊し、ついには血管の外に出て、脳組織に入っていきます。こうしてがん細胞が、脳に転移することになります。脳内は血管が多く、また栄養もかなりよいから、がん細胞はそこで増えやすい環境です。
さらにがん細胞は血管新生因子を出してまわりの血管をがんへと呼び込みます。
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