抗がん剤には、錠剤やカプセルで服用する「内服剤」と、静脈から注入する「注射剤」があります。
注射剤にはさらに(1)の血管からカテーテルで注入する方法、(2)太い静脈である「中心静脈」に挿入したカテーテルを使う方法、(3)鎖骨のあたりの皮下にポートという装置を埋めこみ、ポートを介して中心静脈に薬を注入する方法があります。
このほか口腔がんや肝臓がんのように、特定の臓器の動脈にカテーテルを留置し、限定された部分に抗がん剤を集中的に注入する「動注」という方法があり、この方法では薬の効力の高さと同時に、からだ全体にたいする副作用を避けることができる点にメリットがあります。
また、腹腔や胸腔に薬液を注入することもありますが、エビデンスが少ないので、最近では、あまり実施されなくなっています。分子標的薬にも内服剤(錠剤とカプセル)と注射剤がありますが、患部に直接注入する方法はありません。
化学療法では、抗がん剤を単独で使うこともありますが、多くは複数の抗がん剤を同時に使う「多剤併用療法」がおこなわれます。これはさまざまな薬をくみあわせることで、がん治療の効果を上げようとする方法です。
また抗がん剤を使い続けると、やがて薬が効かなくなる「薬剤耐性」という問題が起きますが、多剤併用療法では薬剤耐性がおきにくいことが利点とされています。実際の化学療法は、がんの種類、大きさ、広がり、病期、他の治療法などとの関係によって、さまざまに工夫されます。
とくに注射や点滴では、注射をする日としない日をくみあわせ、1週間か2週間の周期を決定して、これを数回くり返します。「1コース」とか「1クール」と呼ばれるのは、この1週間か2間の周期のことで、病状の経過や薬の副作用を観察しながら、何コースか反復されます。
副作用が強くでるときは薬の量をへらしたり、治療を中止してたりすることもありますが、事前に副作用を抑える治療法をしたり、ときには副作用を抑える治療法を併用したりしながら、治療がすすめられます。
また、べつの薬に変更することもあります。通常は薬の効き目や副作用のレベルを見るために、1コース目は入院して治療を受けますが、薬が改良されたので、2コース目からは通院で治療を受けことになります。自宅から通いで治療を受けられることは、生活のペースを維持するうえでメリットになりますが、医師や看護師がそばにいないと不安にかられるかもしれません。
通院治療のばあいは、生活上の注意や副作用についてよく説明を聞いておき、なにか異常を感じれば、すぐに病院に連絡するようにしましょう。
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