放射線療法は、がんの病巣部に放射線(X線など)を照射して、細胞分裂を繰り返して増殖するがん細胞のかたまりを小さくしながらがん細胞を死滅させます。
局所療法で、体を切らずに臓器の形や機能を温存させることができ、通院でも治療が受けられます。また、根治的治療と緩和的治療の2つの役割があるのが特徴です。がん細胞と正常な細胞とでは、放射線に対する反応が違います。正常な細胞は、1回の照射量が少なく、照射時間が短ければ放射線のダメージから比較的早く回復します。
しかし、がん細胞は、一度ダメージを受けるとほとんど回復しません。つまり、正常な細胞が回復する時間を与えながら、毎日少しずつがん細胞をこわすことで、放射線の効果が上がるのです。
このため、放射線療法を受ける前には、放射線を照射する位置や形、大きさを定めたり、放射線の量や回数を計算するなど綿密な治療計画が放射線治療医師によって練られます。実際に治療が始まったら、治療計画に基づいて照射することが重要です。
副作用が強い場合は治療を休むこともありますし、その他の理由でも、やむを得ない場合は治療を休めますが、できるだけ計画通りに治療を受けるようにしましょう。放射線は、細胞分裂のさかんな細胞に対してより強く作用するという特徴があるので、細胞分裂が盛んな正常細胞、例えば、血液を作る造血管細胞などにも悪影響を及ぼします。
全身のダルさや疲れやすさ、皮膚や粘膜の炎症症状などがあらわれることもあります。照射部位によってあらわれる症状も異なります。放射線療法の副作用があらわれる時期は、治療中や治療直後(急性期の副作用)だけでなく、半年～数年後(晩期の副作用)の場合もあります。
治療が始まる前に、どのような副作用がいつ頃あらわれるか、そのときどう対処したらよいかなどを主治医や看護師に聞いておきましょう。放射線の副作用は、治療が終われば回復します。どのくらいで回復するかを聞いておくと、安心できるでしょう。
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