術後の痛みやさまざまな不快感は、回復の過程である程度は避けられません。
麻酔や手術そのものの影響によって、合併症が発症するリスクもあります。痛みや不快感の対処法、合併症を予防する方法などについては、術前に説明が行われますので、疑問に思ったことはよく確認しておきましょう。
■痛みの対処法
痛みがあると体を動かすことに消極的になるだけでなく、痛みがストレスとなって回復に悪影響を与えます。また、痛みによってドパミンという脳内物質が減り、意欲が低下してしまうことが知られていますので、痛みは積極的に取り除くことをおすすめします。
最近は、背中に管を入れて麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を術前に行い、術後も数日間持続的に少量ずつ麻酔薬を注入して痛みをやわらげたり、その管から痛み止めを投与する場合もあります。鎮痛剤は、痛みがピークに達する前に使用したほうが少量で高い効果が得られます。
ただし1日に使用できる量は決まっているので、どの程度の痛みを感じたら鎮痛剤が必要か、主治医に目安を聞いておくのもー案です。また、どこがどのように痛むのか、あなたが具体的に説明すれば、主治医もより適切に対応できます。
このほか、体勢を変えたり、呼吸法によって痛みを緩和できることもあります。術前にそれらの方法を指導されますので、できるだけ練習しておきましょう。
■その他の不快感に対して
のどの違和感や痰、長時間横になっていることによる背中や腰の痛み、創部(キズ)の重苦しさなどは、時間がたつとともにやわらいでいきますが、あまりにもつらいときは看護師に相談しましょう。
手術の内容によって、注意すべき症状は異なりますが、急な寒気、熱っぽさ、強いだるさ、胸の痛み、腹痛、おなかの張りなどがある場合は、合併症の症状のこともあるので、医師や看護師にすぐに伝えましょう。
■合併症の予防と対処法
手術の内容によって起こりやすい合併症は異なります。また、高齢者や栄養不足の人、肺や心臓に持病のある人、高血圧の人、糖尿病の人、喫煙者などは合併症のリスクが高くなるためとくに注意が必要です。
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