世界各地の疫学(実際に起こっている病気や健康に関する事象を統計的に検討する)研究の結果、がんは国や地域によって多い種類と少ない種類との偏りが見られることが明らかになりました。
この格差の原因を追及した結果、ごく一部の地域を除いて、食生活が大きく関わっていることがわかってきたのです。さらに、国や地域によって起こる違いは人種の違いによるものではなく、食生活が影響していることを示すデータも出てきました。
そこで世界がん研究基金と米国がん研究機関が、がん予防と生活習慣、とくに食生活について、世界中の研究をまとめ、報告書を作成しました。その報告書は、食品や生活習慣と発がんとのリスクの関係を「確実」「おそらく確実」「可能性がある」の3段階に分けています。
つまり、がん予防については「よい」「悪い」のふたつだけに分かれるのではなく、段階的な評価がされているのが現状なのです。その報告書によると、「確実」「おそらく確実」に発がんのリスクを低下させるものとして「野菜」「果物」があります。
ほかに「食事からのカロテン類」「食事からのビタミンC」も一部のがんについて予防効果が認められています。わざわざ「食事から」と書いてあるのは、通常の食事量の野菜や果物からとる程度の量という意味で、「サプリメントによって大量にとった場合は除く」ことを意味しています。
また、食品の摂取の偏りと発がんの関係が、疫学調査や動物実験でわかってきました。日々食べている食品のなかには、がんを引き起こす物質、がんを抑える物質の両方が含まれていることが明らかになっています。
それらの成分や働きのすべては解明されていませんが、体内で複雑に作用しあって発がんを抑える効果をもたらしているのです。ですから、偏食や加工食品の食べ過ぎは栄養のアンバランスを招くだけでなく、発がんのリスクを高めてしまう原因になります。しかも現代的な食生活では野菜や果物が不足しがちです。いろいろな食品をとることで健康を増進し、がんを抑える働きをより高めましょう。
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