発がんは「たばこ」と「食事」が二大要因で、それぞれの影響は30%程度とされています。
つまり、熱心に食事に注意を払っていても、たばこを吸っていては予防効果も帳消しになってしまうということです。「国際がんジャーナル」(2002年)によれば、日本人喫煙者の肺がんリスクは、非喫煙者の4倍以上という結果が出ています。
また、日本人男性の肺がんの約70%はたばこが原因であるといわれています。身近な発がんリスクのなかでこれほど高いリスクを示すものはほとんどなく、非常に深刻な数字だと専門家は指摘しています。肺がんで死亡するリスクは、1日の喫煙本数が多いほど、喫煙期間が長いほど、喫煙開始年齢が低いほど高くなります。
たばこの煙には60種類以上の発がん物質が含まれています。しかも、がん細胞を作る働きをする物質と、がんの増殖を促す物質の両方が含まれる最悪の発がん物質なのです。それが体内でたばこの煙が通っていく道筋すべてに発がんを促しています。
口から吸い込んで排泄するまで、多くの臓器を通過するため、肺以外の臓器にもさまざまな発がん物質をまき散らしています。2002年、国際がん研究機関では、喫煙によって、口腔・咽頭がん、鼻腔・副鼻腔がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん・尿管がん、膀胱がん、子宮頸部がん、骨髄性白血病の発がんリスクが上がると発表しています。
健康増進法の施行によって、さまざまな場所で禁煙や分煙が進んできました。しかし、家庭内まではそうもいきません。日本の疫学調査で、非喫煙者である妻の肺がんによる死亡率は、夫の喫煙本数により高まり、1日l箱(20本)以上になると約2倍になるとわかっています。このような間接的な影響を「受動喫煙」といいます。
喫煙者本人が吸い込む煙に比べ、受動喫煙の煙を吸うほうが何倍も毒性が強いともいわれています。同居する家族、とくに乳幼児や未成年の子ども、高齢者は影響を受けやすく、受動喫煙によって発がんのリスクが高くなります。また、家族や周囲の大人が喫煙していると未成年者の喫煙への誘惑は強くなりがちです。
大人が率先して禁煙し、子どもたちに新しく吸わないように教育し、家族の健康を守ることが大切です。また、禁煙した場合、禁煙年数が長いほどリスクが下がっていきます。
まったく吸わない人と比べて1~9年で3.0倍、10~19年では1.8倍、20年以上で1.0倍で、ほぼ同じになります。肺がんのリスクは60歳を超えると高くなることがわかっています。ですから、とくに現在40歳前後の人には禁煙が重要です。
また、禁煙を開始するのに遅過ぎることはありません。禁煙した日から時間の経過とともに肺がんのリスクは下がっていくのです。このほか、生活習慣病をあわせもっている人は心筋梗塞のリスクが急激に下がります。
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