MRIは、磁気によって体内の状態を画像化する装置です。
仰向けになったまま、CTよりもっと小さな狭いトンネルの中にからだを入れます。磁気に対する組織の反応の違いから画像を作ります。縦でも横でも斜めでも、自由に調べたい角度でからだを輪切りにして画像をつくることができるのがCTとの違いです。三次元の立体画像をつくることもできます。
MRIは画像が精密で、X線で撮るCTとは違った情報が得られるため、からだのあらゆる部位の診断に使われています。乳がんの場合、特に乳房温存療法の精度を上げるために工夫されてきました。こうして生まれたのが、造影剤(ガドリニウム)を使ったMRマンモグラフィです。
乳がんが、2mm以上の大きさになるためには、栄養や酸素を補給するために新しい血管を引き込んでくる必要があります。そこで、あらかじめ造影剤を注射し、これが乳房の血管に到着したころ、だいたい1分半後から3分ぐらいの間に撮影をすると、新しくできた血管から造影剤がしみ出して、画像に映し出されるというしくみです。
がんがつくる新しい血管は、急場づくりなので、つくりが粗雑で漏れやすいのが特徴です。MRI自体は解像度が高くて1mm単位で画像をつくるので、2mm以上の大きさのがんであれば、9O%以上MRマンモグラフィでわかります。
また、立体画像でがんをとらえることができるので、左右上下さまざまな角度から乳がんの広がり方を観察することができます。ただし、MRマンモグラフィでは、マンモグラフィのような石灰化はとらえることができません。検診による早期発見という意味では、マンモグラフィが上なのです。
MRマンモグラフィで、3cm以下の乳がんであると確認できれば、乳房温存療法の対象になります。乳房温存療法ではがんを取り切ること、がんの取り残しをつくらないことが再発を防ぎ完治への条件となります。
そのために、乳がんの摘出後に切り取った組織の切り口を調べます。もし、ここにがん細胞があれば、まだ乳房にがんが残っている可能性が極めて高いからです。事前の検査で、正確に乳がんの広がりをとらえて、必要な範囲で乳がんを切除できれば、切り口にがんが残る可能性は低くなるはずです。
実際にはMRマンモグラフィを使うようになって、組織の切り口からがんが見つかる率は半分以下に激減しています。これがMRマンモグラフィの価値だといえます。
また、今は手術の前に抗がん剤などによる化学療法を行い、がんが小さくなれば、乳房温存療法を行うようになってきました。
がんにも、小さくなるなり方があり、MRマンモグラフィは、ただがんが小さくなったことがわかるだけではなく、そのがんの小さくなり方が、乳房温存療法ができる縮小の仕方なのか、そうではないのか、その違いを映し出してくれます。マンモグラフィや超音波検査ではわからなかった違いです。
これも、安全に乳房温存療法を行う重要な要素になっています。
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