1個のがん細胞が細胞分裂をして2個になるまでには、細胞外から多くのものをとり込まなければならなかったり、がん細胞に多くの負担がかかるなどして不安定な状態にあり、抗がん剤の効果が最も期待できる時期です。
がんは時間の経過とともに育っていくわけですが、乳がんが発見されるころには、細胞分裂をしている細胞はごく一部であることが多く、大部分のがん細胞は休眠状態になっています。
このとき抗がん剤を投与しても、休眠状態のがん細胞は生き残ってしまうので、やがてそのがん細胞は増殖を始めます。ところが、手術や放射線照射などによってがんを治療すると、微小ながんが増殖を始めると考えられています。このことは実験でも確認されています。
このとき抗がん剤を投与すると、がん細胞が活発に増殖をしているので、効果的にたたくことができるはずです。そのような考え方にもとづいて術後の化学療法が行われています。
乳がんが乳管内にとどまっている0期の場合は、手術だけで対処することができ、抗がん剤によって得られるメリッ卜がないため、術後補助化学療法を行いません。Ⅰ期、Ⅱ期の場合には、ホルモン受容体が陰性の場合や、リンパ節転移が陽性の場合を中心に化学療法を行います。
また、腫瘍の大きい乳がんの場合には、術前補助療法として抗がん剤を投与すると、腫瘍が小さくなり、乳房温存療法が可能になる例が認められています。早期乳がんに対する術前の抗がん剤投与も、最近の大規模な研究の結果、術後補助療法と同等の効果があったと報告されており、術前抗がん剤治療が行われる頻度が増えてきています。
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