抗がん剤の投与で注意しなければならないのは、がん細胞だけでなく、正常な細胞にもダメージを与えてしまう点です。
特に、1種類の抗がん剤を大量に投与すると、特定の副作用が強く出る可能性があるので、多剤併用療法といって、通常は複数の抗がん剤を組み合わせて使っています。
少量ずつ使うことによって副作用は少なくなり、1種類だけを使う場合より効果は高くなるとされています。しかし、最近、1種類だけを最大量投与したあとで、次の薬を使うというように、薬を1つずつ順番に使う連続的治療も研究されています。
なお、再発や転移で治癒が望めない場合は、患者のQOLをそこなわないように、量を減らした多剤併用療法や、単剤を中等量順番に使っていくほうが望ましいと考えられています。
治癒できなくても、抗がん剤がよく効いた場合には、長期間の生存も期待できます。また、がん細胞は、1度ダメージを受けるとなかなか回復しませんが、正常な細胞(特に血液細胞)はダメージを受けても、3週間ほどで回復してきます。
そこで、抗がん剤の投与は、1回投与、あるいは2週続けて投与したら3週間休むというサイクルで行います。正常な細胞は回復しているけれど、がん細胞にはダメージが残っているタイミングをねらって、またたたくわけです。
繰り返し投与している間に、休眠していたがん細胞が活動し始めることがあり、その細胞も抗がん剤がたたくため、効果を高めることにつながると考えられています。投与と休みを数回繰り返すと、抗がん剤の効果は最大になります。しかし、やがて効果は頭打ちになり、副作用が強くなっていくので、投与期間は数カ月以内にすべきだとされています。
なお最近は白血球数を増やす薬を使いながら、2週間間隔で抗がん剤を投与していく、より強力な方法も研究されており、有望な初期成績が報告されています。
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