肺がんの縮小手術（切除範囲を小さくする手術）が選択される場合には2つの理由があります。
1つは高齢あるいは呼吸機能が不良で、標準手術のリスクが高いと判断された場合です(消極的縮小手術)。もう1つは、がんが小さく、進行度も早期で、縮小手術でも完全切除可能と判断された場合です(積極的縮小手術)。
積極的縮小手術は、がんの大きさがCT検査で2cm以下の淡い陰影を示すような場合に行われています。しかし、まだこの縮小手術で、確実にこのような小さな肺がんの治療が完結するかは証明されたわけではありません。
たぶん縮小手術で治るだろうとの予測のもとに行っています。縮小手術には右肺に10、左肺に8つに分かれた肺の区域の1つを切除する「区域切除」と、肺葉の一部を切除する「部分切除」があります。
腫瘍の存在部位、進行度などを考慮して、肺門に近いがんで、多少進行していると考えられる場合には区域切除が選択されます。また、末梢に発生したがんで、大きさがCT検査で2cm以下の淡い陰影を示すような場合には部分切除が選択されます。
この縮小手術を行う場合には、通常はリンパ節の郭清を行いません。したがって、積極的縮小手術にしろ消極的縮小手術にしろ、縮小手術を行うのは、CT検査でリンパ節転移がないと考えられる肺がんの場合となります。
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