がん細胞は血液に乗って移動するため、血液が溜まるような場所には転移しやすいといえます。
たとえば肺です。肺には、炭酸ガスや栄養の壊れたものが動脈に乗って戻ってきます。そしてここでは、それらに代わって血液中に酸素が取り込まれます。こうして血液は、ふたたび体全体をめぐり始めます。
この交換を行うために、肺の組織には血管がたくさん存在します。だから、がん細胞の固まりが機械的に肺の血管に詰まることがあり得るのです。しかし、必ずしもがん細胞が毛細血管に詰まることによってのみ転移が始まるわけではありません。
血管のチューブをつくる血管内皮細胞の表面に現れている接着分子と、がん細胞の接着分子が結びつく場合など、複雑な要素が関係してきます。
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