がんの薬としてよりも細菌感染症の薬として広く知られているのが「抗生物質」です。
しかし、がんの治療に使われる抗生物質が細菌に対して用いられることはありません。がんの治療に用いられる抗生物質の多くは、微生物から抽出された物質がもとになっています。
はじめは細菌を殺す効果をもっているこれらの物質を少し変化させると、がん細胞にはたらくようになるのです。抗生物質は、DNAの2本の鎖を橋渡しすることにより、DNAの複製をさまたげます。
さらに、DNAの複製を助ける酵素「トポイソメラーゼ」と反応してそのはたらき方を変えてしまいます。この酵素はDNAが複製をつくるときに、そのねじれをほぐすためにDNA鎖をいったん切断してふたたびつなぎ合わせる役割を担っています。そのため、この酵素が変化すると、DNAが切れたままになるのです。
このように抗生物質はDNAを壊すことによってがん細胞の増殖をさまたげるのです。抗生物質はもっとも多くの種類のがんに効く抗がん剤であるため、治療のうえでたいへん重要です。
代表的な薬剤に、白血病や悪性リンパ腫に使われている「ドキソルビシン」、皮膚がんなどに用いられている「ブレオマイシン」があります。しかしこれらを長期にわたって一定量以上投与すると、重い副作用が生じることがあります。たとえば、ドキソルビシンは心不全を起こすことがあります。一方ブレオマイシンは、肺の線維組織が異常に増殖する肺線維症を引き起こすことがあります。そのため、患者の状態によっては使用できないことがあります。
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