腎臓がんが生じる要因としては、喫煙(非喫煙者の約2倍)、コークス(石炭がら)やアスベストの粉塵にさらされること、あるいは食べ物を通じて各種の発がん物質(ニトロソアミン、アフラトキシンなど)を取り込むことが指摘されています。
これらの発がん物質は、最終的には老廃物に混じって腎臓に集められます。そのため、体内の老廃物を濃縮するはたらきをもつ腎臓が、とりわけ高い危険性にさらされるのです。しかし、腎臓がんがどのような過程を経て発生するかは、まだ解明されていません。
また、性ホルモンの過多、肥満、高血圧なども、腎臓がんに関係しています。腎不全で、長期にわたって人工透析を受けている人も、通常より高い確率で腎臓がんを発病します。
さらに、腎細胞がんには、遺伝性のもの(家族性がん)があります。ある種の遺伝病(フォン・ヒッペル-リンダウ病や結節性硬化症)と腎臓がんとの間に相関性があることは早くから知られていました。
近年の研究により、これらの病気は、3番染色体にある「VHL遺伝子」や、9番染色体の「TSC1遺伝子」の変異などによって起こることが明らかになりました。そこで、これらの遺伝子を使った遺伝子診断も行われています。
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