分子標的治療薬とは、がん細胞の増殖や発生、転移に関係している特定の遺伝子やたんぱく質に作用して、がん細胞の増殖を抑制する薬で、HER2が陽性の乳がんに効果があります。
HER2とは、細胞の表面にあるたんぱく質の一種で、細胞の増殖を促す受容体(レセプター)です。このHER2受容体の働きをブロックすることで、細胞の増殖を抑えます。
2008年、日本でも術後補助療法としてトラスツズマブ(ハーセプチン)を使うことが認められ、抗がん剤などと組み合わせて使用されるようになり、効果をあげています。また、2009年3月から、ラパチニブ(タイケルブ)が認可されました。
タイケルブとは、HRE2を認識してくっつき、がん細胞を増殖させるシグナルをストップさせ、がん細胞の増殖を抑える薬です。このタイケルブは、再発および進行乳がんの治療薬としてのみ認可されているため今のところ、術後補助療法には使われていませんが、これからの薬として期待されています。
また分子標的治療薬の研究は目覚ましく、アバスチン、スーテント、エベロリムスといわれる薬の開発にも期待が高まっています。
■分子標的治療薬の主な副作用
副作用はほかの抗がん剤に比べて比較的軽いため、がん細胞だけに作用する薬だと考えられていましたが、研究が進むにつれて、軽間質性肺炎や心臓への毒性などの副作用が生じることがわかってきました。初回の治療では、悪寒や発熱が起こり、長期になると心不全を起こすことがあります。
術後補助療法として使用する場合には、主治医からよく説明を受けましょう。また、定期的に心臓の検査も受けましょう。
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