精神腫瘍科(サイコオンコロジー)も近年、注目を集めている新しい治療の1つです。
これは簡単に言うと、がん患者さんを対象とした専門の精神科です。
がんという病にかかると、心と体の「二重苦」を背負い、治療にも影響が出てきます。精神腫瘍科とは、そうした場合に患者さんを「二重苦」から解放し、治療に専念してもらうための科です。
がんに起因するつらさや苦しみ、痛みはいろいろです。
リンパ浮腫で手足が腫れて苦痛を訴える人や、抗がん剤の副作用による吐き気やだるさ、息切れなどに苦しめられる人、また、再発や転移による絶え間のない患部の痛みに襲われる人もいます。
「うつ状態に悩まされている」というので診察をしてみると、落ち込みの原因は<痛み>によるものだったという人がいれば、その反対に「激しい痛みで肩が上がらない」という患者さんが、本当の原因は気持ちの落ち込みによる「うつ病」だったというケースもしばしばです。
精神腫瘍科で適切な治療を受けた場合には、こうした問題が整理され、精神症状が改善され落ち着きを取り戻し、治療への前向きな気持ちを取り戻せる可能性があります。
精神症状の訴えがある場合は、特に「痛みがあるかないか」が大きなポイントになります。精神症状が関与している痛みと考えられる場合は、緩和ケア科を中心として精神腫瘍科、腫瘍内科とも連動し、さまざまな面から患者さんに対処していきます。
「緩和ケア」と一言うと、一般にはターミナルケアのイメージがあるかもしれませんが、がん患者はだれでも緩和ケア科を受診できます。
緩和ケアの定義は「がんなどの病気が治せない状況になったときに受けるもの」という終末期ケアと同じ意味がありましたが、WHOでは2002年に「生命をおびやかす病気によって起こる問題に対応するもの」と定義を変更しています。
病気で困ったことがあれば、治るか治らないか、治療しているかどうかに関わらず、緩和ケア科を受けられるということです。
従来のがん医療では「治す医療」が必然的に先行し、治療による<苦しみや痛み>は軽視される傾向がありましたが、これからは痛みの緩和や精神症状にも適切な対応がなされ、「病んでいる人を治す全人的医療」が治療と併行して進められることが理想です。
・・・
どうすれば、がんは治せるのか!?
標準治療(手術・抗がん剤・放射線)に耐え、代替療法も活用すれば・・・
本当にがんは治せる?
詳しくはこちらのページで