がん免疫療法の課題は、大きく分けると4つあります。
それぞれの課題は、お互いに関係し合っています。たとえば、免疫細胞をがんに集中させるためには、がんそのものの研究と免疫の仕組みや細胞の解明が欠かせません。
がんの研究は、抗原や抗体の開発にもつながり、免疫細胞の研究からは、細胞の働きをより強めたり、長続きさせたりする方法が明らかになってきています。また、増やした免疫細胞を体内に戻す方法や、サイトカインの投与方法など、免疫療法の効果を高める研究も進んでいます。
■課題1.がんにリンパ球を集中させる
強い攻撃力をもっていても、ターゲットとなるがんがある部位に辿り着かなければ、意味がありません。
■課題2.免疫細胞をずっと元気に働かせる
実験室で、インターロイキン2(サイトカイン)を加えて活性化されても、体内に戻すと、その刺激がなくなるために、免疫細胞の活性が低下してしまうことがあります。また、キラーT細胞は、サプレッサーT細胞やレギュラトリーT細胞の影響を受けて、働きが弱められる場合もあります。
■課題3.がんの防御壁を突破させる
がんは、自分達を守るための巧妙な仕掛けをもっています。とくに、がんが大きなかたまりになった場合、免疫細胞だけではなかなか打ち崩すことができません。試験管の中では免疫細胞が強い威力を発揮しても、体内で、がんの防御壁を突破できるとは限りません。
■課題4.がんの抗原や抗体の種類を割り出す
がん免疫療法に欠かせないがんの抗原や抗体の特定も、免疫療法の発展には欠かせません。最近では、複数のペプチドワクチンを使って、一人ひとりに合った免疫療法を行う研究も始まっています。
このように、がん免疫療法は、がんの第4の治療法として期待されていますが、まだ課題が多いのも事実です。免疫療法の難しいところは、そもそも、免疫細胞が体内でどのように働いているか完全にはわかっていないことです。
体内に戻した免疫細胞がどのように作用し、理論どおりに効果がでるのか、現在も検証が続いています。
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