がんの治療を受けるまえに、いくつかの準備が欠かせません。
入院が必要なときはなおさらです。通院で治療ができるばあいでも、がん治療は長期にわたりますので、家事、会社や組織の仕事、社会活動などをフルにこなすことがむずかしくなります。
それを切りぬけるには、周囲の人たちに協力してもらうしかありません。そのためには自分の病気と治療方法と見通しについて、ある程度のことを話しておく必要があります。
多くの人は自分ががんにかかっていることを話すときになると、ためらいを感じるように思えます。しかし、いまはふたりにひとりががんにかかるといわれる時代です。そのとおりなら、どんな家庭もがんと無関係でなくなります。
いまではがんにかかったことを、特別視する雰囲気はなくなっています。いちどだれかに打ち明けると、あまり抵抗を感じないで話せるようになるでしょう。しかし、だれにどの程度のことを話すかについては、家族と相談しておいたほうがいいかもしれません。
自分と家族の発言に食い違いがないようにしておけば、「あの人はもうだめらしい」というような、あらぬ誤解を引きおこすこともなくなるでしょう。ふつうは、がんという診断を受けてから治療がはじまるまでに、通院でなんどかの検査を受けます。それまでは、これまでどおりの生活をすればいいでしょう。
しかし、できるだけ体調をくずさないようにする配慮が必要です。暴飲暴食をしたり、夜更かしをしたりして、風邪を引くことなどは避けなければなりません。まめに手洗いやうがいをして、衛生的な生活を心がけましょう。散歩のような適度の運動も大切です。
糖尿病や高血圧のようなほかの病気があるばあいは、食事制限のような注意が必要になるかもしれませんので、主治医や看護師の注意を聞いておくようにします。また化学療法を受ける場合は、歯の治療をすませておく必要があります。
虫歯などをのこしておくと、薬の投与によって、あごの骨が溶ける「顎骨壊死」のような、口のなかのさまざまな問題のもとになります。抗がん剤の使用で脱毛が予想されるばあいは事前にウィッグを準備しておくと、あわてないですむでしょう。
脱毛すると心理的なダメージが大きいので、いまでは女性用だけでなく男性用のウイッグもそろっています。「医療用かつら」をネットで検索すると、数多くのメーカーの情報をキャッチできますし、フリーダイヤルも表示されています。なかには回復を支援する目的で、割引してくれるところもあります。
通販制度をとっている会社もありますが、やはり事前にカウンセリングを受けてから購入するほうが安全です。最近では、がん拠点病院やがんの専門病院でも、ウイッグの相談や購入ができる「ヘアサロン」を設置しているところがでてきました。
これはがん治療に精神面のケアもとりいれようとする考え方の反映です。病院内の「へアサロン」なら、治療の延長という感覚ではいることができて、デパートや美容院にいきたくない人たちには朗報でしょう。医療用のウイッグの価格は5万円から1O万円に設定されており、なかにはびっくりするような高額の製品もあります。
ウイッグを選ぶときは、地肌にあたる部分が頭皮を刺激しないような製品を選びます。通気性が悪いと、毛が生えはじめたときに妨げになります。じっさいにつけてみたときに違和感のない製品、現在の自分のヘアスタイルに近い製品を選ぶのがいいでしょう。
脱毛がはじまると、ゆるくなるので、そんなときのアフターケアがあることも大切です。タバコを吸う人たちは、この機会に禁煙にふみきるのが常識です。たとえば肺がんにかかったときにタバコを吸っていると、すぐには手術ができないことがあります。また手術のあとにタンがでて苦しむことになり、手術後に肺炎にかかるリスクが高くなります。喫煙者には抗がん剤の使い方がむずかしくなり、転移・再発が早いことでも知られています。
アメリカでは、「タバコを吸うがん患者は本気で病気を治す気持ちがない」と判断して、治療を断るがんセンターもあります。日本でも病院内や病院の敷地では、タバコを吸うことはできません。
それに医師のなかにはタバコを吸う患者を、まじめに病気にとりくむ気持ちがないと考える人たちがいるかもしれません。どうしても禁煙できない喫煙者は、薬局で市販されているニコチンガムやパッチに頼るか、禁煙外来などの指導を受ける必要があります。禁煙外来には保険が使えます。
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