「化学療法」とは、抗がん剤、分子標的薬、ホルモン剤を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、転移や再発を防いだり、転移しているかもしれない小さながんをやっつけたりする治療法です。このうちホルモン剤は、乳がん、子宮がん、前立腺がんで使われます。
さて、従来の常識では、化学療法はがんが広がった「進行がん」と血液のがんに対する治療法でした。しかし、チーム医療がとりいれられている現在では、手術の前に放射線と併用する「術前補助化学療法」(ネオアジュバント療法)や、手術とくみあわせて手術のあとにおこなわれる「術後補助療法」(アジュバント療法)が普及しています。
これらは転移・再発のリスクをへらし、がん医療をより確実にするための治療法です。化学療法の目的をまとめると、(1)がんを小さくして手術の成果をより確実にすること、(2)がんの根治や寛解をめざすこと、(がんが一時的か永続的に小さくなるか消えている状態)(3)転移・再発を防ぐこと、(4)つらい症状を緩和したり、延命効果をめざすこと、にあるということができます。
(1)の術前化学療法は、がんを小さくするか(ダウンステージング)、飛び散っているかもしれない小さながんをやっつけて手術の効果を確実にし、転移・再発を防ぐための治療法です。この治療法は、乳がんでは乳房を温存する手術に適用されており、術後の放射線治療と併用されて成果をあげています。また肺がん、食道がん、胃がん、大腸がん、咽頭がん、膀胱がんなどにも適用されだしています。
(2)は悪性リンパ腫や、一部の白血病のような血液のがんに抗がん剤がよく効くことから、寛解を目的として使用されます。(3)はさまざまながんで実施されています。
(4)の緩和治療というと末期の治療法のように聞こえますが、現在ではがんの早期から緩和治療を実施し、患者の体力の維持をはかるのが常識になってきました。痛みや苦痛があると食欲がなくなり、夜もよく眠れなくなって、どうしても体力がなくなります。体力がなくなると、どんな治療法も薬も効果をあげにくくなるので、緩和ケアを行うことも大切なことです。
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