乳がんの転移はまず、わきのリンパ節に起きることが多いです。
そのため手術の前には必ず、わきの触診や超音波検査を行い、転移が見つかれば、手術でリンパ節も広く切除します。触診などで転移が分からない場合は、手術前や手術中にわきを切開し、センチネルリンパ節を取って組織を調べる生検を行います。
センチネルリンパ節は平均2~3個あり、がん細胞が最初にたどり着くリンパ節です。特殊な色素や放射性物質を注射して調べ、転移がなければ、追加のリンパ節切除は行いません。転移が見つかれば、広い範囲を切除することになります。
局所再発の予防に加え、リンパ節転移の個数によって再発の危険度を判断し、その後の治療方針を決める目的もあります。しかし、生検で転移が見つかり追加切除をしても、半数の患者では先のリンパ節への転移はないのです。
リンパ節を広く切除すると、1~2割の患者に腕がむくむリンパ浮腫の後遺症が起きるため、過剰治療をどう防ぐかが問題になっています。そこで、生検でリンパ節転移が見つかっても、数や大きさで追加切除をするかどうかを調べる研究が欧米で開始されました。
2011年2月に米国医師会雑誌に発表された研究では、転移が2個以下の場合、切除しなくても生存率は変わらないとの結果が出ました。米国の主要がん専門病院ではこれを受け、リンパ節転移の個数やがんの大きさによっては、追加切除をやめる方針に切り替えています。
しかし日本の病院、主にがんセンターなどでは「センチネルリンパ節に転移があった患者に対する一律の追加切除を見直す流れを確実にした」と評価する一方、「今回の結果だけで治療方針を変えるのは難しく、慎重に対処していきたい」という方針を持つところが多いです。欧米では、①リンパ節に2ミリ以下の微小な転移がある患者のリンパ節を残すのは安全か②リンパ節の追加切除はせずに放射線治療でもよいかを調べる別の2種類の大規模な比較試験も進行中です。
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