卵巣がんは、早期には自覚症状がほとんどなく、有効な検診法もありません。
このため、半数は進行した状態で見つかることが多く、治療は、手術に抗がん剤を組み合わせるのが基本です。抗がん剤はパクリタキセルとカルボプラチンを併用するのが一般的です。しかし再発することもあり、治療を続けるうちに、これらの抗がん剤は効かなくなります。
その際に用いる抗がん剤として承認されたのがドキシルです。成分は、乳がんや悪性リンパ腫など、もともとがん治療に古くから使われている抗がん剤アドリアマイシン(ドキソルビシン)です。これを「ステルス・リポソーム」という超微小カプセルに入れ、がん細胞に効果的に届くように加工したものです。
この薬には、再発した卵巣がん患者の約20%で、がんが小さくなるなどの効果がみられています。生存期間どれだけ延ばせるか明確なデータはありませんが、がんに伴う痛みなどの症状緩和が期待できます。一方、手足の痛みを伴う赤みや、口内炎、吐き気、感染症にかかりやすくなるなどの副作用も伴います。
しかし、ほかの抗がん剤に比べれば副作用は少なく、治療の選択肢が増えた意味は大きいといえます。ドキシルは、再発卵巣がんの治療薬として1999年から米国など80か国以上で承認されており、卵巣がん体験者の会「スマイリー」が2006年から承認を求める署名活動を続けてきました。
日本婦人科腫瘍学会は07年、卵巣がんの治療指針をまとめましたが、再発時の治療薬として挙げた抗がん剤のうち、保険がきかないものも多かったのです。同学会や「スマイリー」の働きかけで、11年2月、「ジェムザール」「ハイカムチン」が承認され、卵巣がんの治療選択肢は大きく広がったのです。
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