肥満は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の原因のひとつであることは知られていますが、がんの発生にも関わりがあることが明らかになっています。
食道、結腸、腎臓がん、閉経後の女性の乳がん、子宮体がんの確実な原因として位置づけられています。肥満を客観的に判断するのに用いられる指数がBMIです。BMIはBody Mass Indexの略称で身長と体重の比率をみる体の大きさの指標です。
BMI=体重(kg)÷{身長×身長(m)}の計算結果が18.5~25未満なら「普通」、それに満たないのは「やせ」、25以上だと「肥満」と判断されます。このBMIをもとに日本人を対象にした疫学研究で詳細が明らかになってきました。
もっとも死亡率が低いのはBMIが23.0~29.0、また、BMIが21~29の範囲では男女ともがんのリスクは高くなっていません。しかし、この範囲を外れてくると、やせていても太っていてもがんのリスクが高くなることがわかってきました。
必要以上の高エネルギーを摂取する食生活は、細胞のがん化をもたらす活性酸素をたくさん作り出してしまう要因になるとされています。これが、遺伝子に傷をつけたり、修復するシステムを妨害して発がんに影響をおよぼすのではないかと考えられているのです。
このほか、肥満はもちろん、やせていても体力・栄養不足を起こしやすく、どちらとも免疫力そのものを低下させやすくなっています。
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