乳がんの場合、頻度としては、骨、肺、肝臓、脳の順に転移することが多いですが、どこに転移しても乳がんに有効性が証明されている治療を行います。
肺に転移したからといって、肺がんとして取り扱うのではなく、あくまで乳がんに効く治療を行うということです。治療法は、基本的に初期治療と同じで、手術・放射線治療・薬物療法の組み合わせで行います。
がんが局所にとどまっている場合は手術を行うこともありますが、転移した部位への局所療法よりも、全身への見えない他の転移も意識した薬物療法を行うのが基本です。
但し、例外的に局所療法である放射線治療を用いることもあります。放射線治療は骨転移や薬物が進入できない唯一の臓器である脳転移に対し有効だからです。
楽物療法は、初期治療と同じようにホルモン感受性陽性のがんに対してはホルモン療法を中心に行い、HER2たんぱくを過剰発現しているケースでは、分子標的治療薬のトラスツズマブ(ハーセプチン)を使います。
トラスツズマブは、基本的に再発用の治療薬で、現時点では術後補助療法の適用にはなっていません。
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