乳房にがんがとどまっている状態ならば、一刻を争って治療をする必要はありません。
患者にとって、乳がんという診断は突然のものですが乳がんは乳房の中でゆっくり成長しています。
2~3cmのがんであれば、検査やベッドの順番待ちで3~4週間待つことがあったとしても、あまり心配する必要はなく、むしろインフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンのための十分な時間的余裕があります。
乳がんが検査で発見できるのは、だいたい5mmぐらいの大きさになってからです。しこりとして触れるようになるのは、せいぜい1cmぐらいの大きさになってからです。早期がんというのは、普通2cm以下のがんをさしています。ですから、1cmぐらいの大きさならば、もちろん早期がんです。
ここに、どれくらいのがん細胞があるかといえば、1O億~1OO億個の細胞が集まっています。といっても、いきなりそんな数になるわけではありません。最初は1個の細胞ががん化するところからはじまります。これが2個に分裂して4個、さらに8個、16個と倍々に増えていきます。
このように、がん細胞が分裂して倍に増えるのにかかる時間を「ダブリングタイム」といいます。乳がんのダブリングタイムは9O日ぐらいといわれています。そして、1個のがん細胞が1O億個になるまでには、3O回の細胞分裂が必要です。
そうすると、9O日×3O回で27OO日。つまり、乳がんが1cmぐらいの大きさになるには27OO日、実に7年以上の年月がかかるということになるのです。今日、乳がんが1cmの大きさで発見されたとすれば、7年以上も前からがんを抱えていたはずなのです。
その間、分裂のスピードはほとんど変わっていません。2個の細胞が4個になるときとほぼ同じスピードで1億の細胞は2億になり、2億の細胞は4億になります。ですから、あるときから急に大きくなってきたように感じるのです。
乳がんの成長にはそれだけ長くかかっているのですから、早期がんであれば、1か月ぐらいの治療の前の待ち時間は
それほど大きな問題ではありません。この段階であせる必要はありません。
むしろ、病気や治療のことをきちんと理解して、今後の生活や人生設計を考えて、自分にふさわしい治療法を選択することのほうが重要だといえます。
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