乳房は、大胸筋という胸の筋肉の上にあって、乳腺組織と脂肪、間質組織、皮膚などからできています。
乳腺組織には、小葉というぶどうの房のような組織と乳管という管があります。乳房の中には、この乳管が放射状に広がっていて、その枝分かれした先に小葉があります。小葉は腺房上皮細胞が集まった腺房という組織の集まりです。母乳はここでつくられるのです。
つくられた母乳は小葉から細い乳管を通ってさらに太い乳管に集まリ乳頭(乳首) へと運ばれるわけです。乳頭の部分には、10~2O本の乳管が集まっています。乳がんは、この乳腺組織に発生するがんです。そして乳がんのほとんどは、小葉から出てすぐのところの乳管、いい方を変えれば乳管のつけ根のところにできます。これが、「乳管がん」です。
乳がんの中には、小葉にできるがんもありますが、8O%以上は乳管にできる乳管がんです。では、がんになると乳管の中で何が起こるのでしょうか。乳管というのは、血管と同じような管で、管の内側には細胞が一列に整然と並んでいます。この細胞を乳管上皮細胞といいます。この乳管上皮細胞が、遺伝子の異常を起こしてどんどん増殖をはじめるところからがんがはじまるのです。
がん化して増えた乳管上皮細胞は、やがて管の内側にり出し、ドーナツ状に管が狭くなっていきます。このようにがん細胞が管の中にとどまっている間は「非浸潤がん」と呼ばれます。この非浸潤がんは、乳がんの病期(ステージ)でいうとO期にあたります。治療をすれば99%が治る超早期がんです。
しかし、やがて増えたがん細胞は乳管内部にとどまらず外にしみ出るように広がっていきます。これが「浸潤がん」です。乳管上皮細胞の外側は、基底膜という膜でおおわれているのですが、がんがこの膜を越えて外に出て、
ほかの組織に食い込んだ状態です。
こうなると、がん細胞が血管やリンパ管に入り込み、転移を起こす危険が出てくるのです。"しこり"として発見されるがんは、ほとんどが浸潤がんです。
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