ある日、乳房にしこりを見つけたら、誰でも乳がんを疑って不安な気持ちになるでしょう。
しかし、しこりをつくる病気は乳がんだけではありません。しこりを訴える場合、25~45歳ぐらいの女性には乳腺症が多く、2O代~3O代の女性だと線維腺腫と葉状腫瘍という病気があります。
4O代~5O代になると、乳管内乳頭腫という病気でしこりをつくることもあります。いずれも、乳がんと間違えやすい乳腺の病気です。病院できちんと検査を受けて、しこりの原因を確かめておくことが大切です。
■乳腺症
乳腺症は、女性ホルモンのバランスが乱れて起こるといわれています。卵巣からはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが分泌され、月経や妊娠、授乳などさまざまな女性の生理をコントロールしています。そのバランスが崩れて、エストロゲンが分泌過剰になるのが乳腺症の原因です。
したがって、閉経してエストロゲンの分泌が欠乏すると乳腺症もなくなります。乳腺症によるしこりは、母乳をつくる腺房という組織が増えたり、乳腺と乳腺の間を埋めている線維組織が増えたもので、腫瘍ではありません。しこりだけではなく、痛みを伴ったり、母乳のような分泌物が出たりすることもあります。
しかし、女性ホルモンの影響でしこりができるので、月経に伴って症状が変化するのも特徴です。月経前になると乳房が張って症状が強くなりますが、月経が終わるとこうした症状が軽くなったり、消えてしまったりします。これが、乳がんとの違いです。
しこりも、両方の乳房にできてえくぼのようなくぼみをつくらない、平べったい形をしているなどの特徴がありますが、素人判断は禁物です。必ず、病院で乳がんではないことを確認してもらいましょう。それさえ確認できれば、痛みが強くないかぎり、治療の必要もありません。
■線維腺腫
良性の腫瘍です。しこりは丸く、指で押すと動き痛みはありません。しこりは、たいていは1個ですが、2個以上できることもあります。この場合のしこりは月経周期に伴って変化することはなく、そのままの大きさでとどまれば特に治療も必要ありません。しかし、中には急速に大きくなっていくものもあります。この場合は、手術で取ってしまいます。といっても、しこりを取るだけなので、局所麻酔で行うことができます。この場合も、病院で乳がんとの鑑別診断を受けることが大切です。
■葉状腫瘍
初期のものは線維腺腫に似ているものの急に大きくなるのが特徴です。ほとんどは良性ですが、なかには転移を起こす悪性のものもあり、良性でも局所に再発を繰り返すうちに悪性化するものがあります。治療の原則は、包むように切除することです。
■乳管内乳頭腫
乳頭付近の乳管にできる良性の腫瘍です。乳頭のあたりに、わりあいかたいしこりができ、乳頭から血の混じった分泌物が出ることもあります。乳頭から血が出る場合、その3O%は乳管内乳頭腫が原因です。ただ、しこりがたくさんできるとがん化の危険もあるので、予防のためにしこりを切除してしまうこともあります。
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