脳と脊髄は特別な関門によって、外部からの細菌の侵入から守られています(「脳脊髄関門」と呼びます)。この脳脊髄関門によって、脳転移に対する薬物療法は今までほとんど無効でした。
脳転移については全脳照射と言って脳全体に放射線をかける方法と、定位照射と言って病巣のみにピンポイントで
放射線をあてる方法があり、適切に組み合わせた方法により治療が行われます。ガンマナイフやリニアックナイフというのは、定位照射に使われる装置の名前です。
また、小さな脳転移であれば、脳外科手術を積極的に行う施設もあります。ただし、脳以外にも遠隔転移がある場合の脳外科手術は適応となりません。
HER2陽性乳がんに対する初期治療としてトラスツマブ(商標名「ハーセプチン」) は必須ですが、HER2陽性乳がんの特徴的な遠隔転移として脳転移がしばしば見られるようになりました。
幸いなことに、トラスツマブに続く分子標的治療としてラパチニブ(商標名「タイケルブ」)が登場しました。この薬は分子量が小さく、脳脊髄関門を通過します。そこで、HER2陽性乳がんの脳転移にはラパチニブが有効な薬ではないかと現在注目されています。
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