患者の血液に含まれるがん細胞の数を測定して、がんが再発、転移した人の治療効果を判定しようという研究が進んでいます。
昔から、がん患者の血液の中には病巣からこぼれ落ちたがん細胞(末梢血中がん細胞)が流れていることが知られていました。これまで、実際に血液の中からがん細胞を見つけることができなかったのですが、最近このがん細胞を見つける検査キットができました。
そこで、がんが再発・転移した乳がんの患者さんの血液中のがん細胞(循環がん細胞)を数えてみるとその結果、血液7.5ccの中にがん細胞が5個以上ある人と5個未満の人では、生存率に差があることがわかったのです。
さらに調べると、5個以上がん細胞があった人でも、抗がん剤による治療を1サイクル(3~4週後)行ったあとで5個未満になっていれば、抗がん剤の効果が期待できることがわかりました。つまり、抗がん剤治療を続けることで効果があるというのです。
今、この検査が、効率的な抗がん剤治療につながるのではないかと期待されています。これまで、抗がん剤の効果はがんの大きさで判断されていました。画像診断で、がんが3O%以上小さくなって、その状態が4週間以上続けば、効果ありです。
しかし、がんが3O%以上小さくなるのは、抗がん剤を使って3~4か月後のことが多いのです。その間、何サイクルも抗がん剤治療を繰り返すことになります。逆にいえば、効果がない人も3~4か月は抗がん剤を使わないと、効くか効かないかの判断ができないのです。
しかし、血液中のがん細胞の数が目安になれば、1サイクル抗がん剤を使っただけで効果が判定できます。もし、効かないとわかれば、すぐにほかの抗がん剤に変えることができます。そうすれば、いつまでも効かない抗がん剤を使わないですむのです。
ホルモン療法でも同じように、がん細胞の数で効果を予測できるのではないかとみられています。まだ、結論は出ていませんが、血液検査で簡単に治療の効果が判定できるのがこの検査のよいところです。
もう少し検査の感度がよくなれば、原発性の乳がんでも、治療の効果判定に使えるのではないかと期待されています。
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