PETが開発されたときには、がんに対する夢のような診断法が出現したように思われ、どんながんでも確実に診断できるようになると思われていました。
しかし、時間がたつにつれ、PETの有用性がそれほど画期的なものでないことがわかってきました。それでも、PETが今までのX線やCTではわからないがんを診断できることが、しばしばあることは間違いのないことです。
PETによる肺がんの診断に関しては、ある程度の評価がされています。PETにより陽性に出る肺がんは90%以上です。陽性に出ないのは5mm以下の小さながんや、CTで淡く写る小さな早期の腺がんです。それ以外の肺がんは、ほとんどがPETが陽性になると考えてよいと思います。
しかし、PETが陽性でもがんとは限らないことに問題があるのです。結核や肺炎、一部の良性腫瘍でも陽性になることがあるからです。PET陰性の場合には、早期のがんを除けば、がんではないと考えられます。
肺がんのリンパ節転移はCTによる大きさだけでは判断できないのですが、PETを用いることにより質的な診断も可能になり、リンパ節転移を正確に判定できるのではないかと期待されましたが、原発巣と同じで、小さい転移では陽性に出ないことが多く、リンパ節に何らかの病変があると、がんがなくても陽性に出てしまうこともあります。
したがってリンパ節転移を調べることにおいても、PETはCTより精度は上がりますが、十分ではないといえます。PETは全身を撮影します。脳など糖代謝が活発な臓器では、PETでは有用な所見が得にくいという欠点がありますが、それ以外の臓器の遠隔転移を調べるには大変役に立ちます。
特に、骨の転移に関しては有用で、骨の転移による痛みが出る前に発見された例もあります。また、副腎の転移などはCTでもわかりにくいこともあり、PETが役に立っています。
このようにPETは肺がんの診断に役立ちますが、必ずしも十分とはいえません。また、PETはほかの検査と比較して高価な検査ですが、患者にとっては苦痛のない検査なので、この検査の特徴、有用性をよく理解したうえで検査を行うことにより、肺がん診断の大きな助けになると考えられます。
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