肺がんは進行が早く予後の不良なことが多いがんです。
したがって治療をはじめる前に遠隔転移があるかないかを確認することは重要です。遠隔転移とは肺以外の臓器にがんが転移をしていることです。ただ、最近では検診の精度が上がり、小さながんで見つかることが多くなりました。
1990年代前半くらいまでは、すべての肺がんにおいて治療前に遠隔転移の確認まで行っていましたが、CTで病期(ステージ)のI期と判定されるような症状のない肺がんには、ほとんど遠隔転移がないことがわかり、われわれの施設では、症状のない肺がんで臨床的にI期と診断されれば遠隔転移の確認は行わなくなりました。
遠隔転移の確認では、脳、骨、腹部を調べます。脳は通常、MRIにより検査します。肺がんでは脳転移がしばしば認められます。たとえ肺のがんが小さくても、頭痛や吐き気などの症状があれば必ず脳転移を調べることが必要です。
特に、小細胞がんは脳転移の頻度が高いため、I期で症状がなくても脳のMRIを行います。また、骨も肺がんの転移がよくみられる臓器です。骨の転移には、骨の状態を検査する「骨シンチグラフィ」という検査を行います。
腹部臓器の転移の確認には、CTあるいはエコーが用いられ、主として肝臓や副腎、腎臓などに転移がないかどうかを調べます。胸部のCT検査で、病期がⅡ期以上の肺がんであろうと診断されれば、これらの3つの検査(MRIと骨シンチグラフィとCT)を必ず行います。
これらの検査をすべて行ったうえで肺がんの病期(臨床病期)を判定し、治療方針を決定します。骨転移の確認にはPETも有用ですが検査費用が高いため、一般には骨転移のためだけには用いられません。
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