イレッサは厳密にいうと「抗がん剤」ではなく、分子標的薬といわれるものです。
分子標的治療薬とは、がん細胞の増殖に関与するある特定の遺伝子に作用するように設計された新しいタイプの薬です。従来の抗がん剤に見られた白血球の減少、血小板の減少、脱毛などの副作用が少ないのが特徴です。
肺がんに対しては現在、飲み薬としてゲフィチニブ(イレッサ)とエルロチニブ(タルセバ)の2剤が使用されています。そのほかに、ベバシズマブ(アバスチン)という血管新生阻害薬があります。
ほかにもいくつかの分子標的治療薬が開発段階にあります。日本では、イレッサが世界に先駆けて承認され、多くの肺がん患者さんに使用されています。イレッサは、がんが増殖するためのシグナルの伝達を阻害する薬です。
イレッサは2002年に世界に先駆けて、日本ではじめて肺がんの治療薬として承認されました。1日に1錠飲めばよい薬です。イレッサの効果はすぐにあらわれるのが特徴です。この薬は、組織型では腺がん、男性よりも女性、喫煙者よりも非喫煙者、欧米人よりもアジア人によく効くといわれています。
これらのさまざまな因子よりもイレッサの効果が最も多く見られるのは、その患者のがんにEGFRという遺伝子の変異があるという場合です。このEGFR遺伝子変異がある場合、イレッサの有効率は80%くらいといわれています。
これに対し、EGFR遺伝子変異がない場合では、数%にしか効果は認められません。したがって、現在の肺がん治療ではこのEGFR遺伝子を調べたうえで、変異のある場合にはイレッサの使用をすすめています。
実はイレッサが発売された当初、この薬の副作用による死亡がマスコミでさかんに取り上げられ、肺がん患者の間に、非常に危険な薬という情報が広まったことがありますが、このときは、検査が十分に行われていませんでした。
なお、EGFR遺伝子を調べることができない場合には、非喫煙者で腺がんの人に投与をすすめることになります。イレッサの効果が長期間持続することはまれで、通常、3か月~半年くらいで効かなくなります。しかし、数か月休薬するとまた効果が出ることもあります。
■イレッサの副作用
イレッサは発売当初、副作用による死亡がマスコミでさかんに取り上げられ、非常に危険な薬という情報が流れました。これはイレッサが問質性肺炎という病気を引き起こすことがあるためで、問質性肺炎になると助からないことが多いからです。
この間質性肺炎を起こすのはイレッサを使用した患者のうち5%くらいです。男性、喫煙者、全身状態の悪い人などに起こりやすいといわれています。イレッサの副作用として生命にかかわるような症状の重い副作用は、この間質性肺炎だけです。
このほかにも、皮膚の発疹・掻痒症、下痢、肝機能障害などが認められます。しかし、これらの副作用は致命的になることはなく、休薬すれば2週間くらいで軽くなります。
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