日本では10年ほど前までは点滴による化学療法はほとんど入院して行われていました。
その理由は点滴に時間がかかる、副作用が強く、患者さんの状態の変化にすぐに対処する必要があるなどの理由がありました。
しかし、最近では、点滴方法の改良、副作用の対策の進歩などにより、外来(通院)での化学療法が行われるようになってきました。外来での化学療法には化学療法に精通した医師が必要ですが、日本ではまだ、日本臨床腫瘍学会が認定する「がん薬物療法専門医」の数が少なく、化学療法を行っているすべての病院に専門医がいるわけではありません。
また、外来化学療法を行うには、専門の医師や看護師のほかに、薬剤師、検査技師、事務員などの協力も必要です。また、化学療法を行うには、その副作用への対策も十分にとっておかなくてはなりません。
その第1は患者に化学療法についての十分な説明を行うことです。副作用については説明の際に、あまり心配のない副作用と緊急に連絡の必要な副作用を分けて説明することが必要です。
できれば説明は患者だけではなく、家族も聞き、理解しておくことが求められます。外来化学療法はすべての患者に行えるわけではありません。安全を期して、全身状態の悪い患者、合併症を有する患者には入院して化学療法が行われます。
また副作用が強いと予想される化学療法を行う場合には、1回目の化学療法は入院して行い、次の治療の際には副作用が軽度で、外来治療が可能と判断されれば、外来化学療法となることもあります。
肺がんでよく行われるシスプラチンを含む化学療法では、大量の輸液(水分)と尿量(毒素を排出するため)の確保が必要なため、外来化学療法には不適であるとされています。
進行肺がんの治療の場合、放射線治療と化学療法を同時に行う化学放射線療法がしばしば行われますが、このときには放射線治療が毎日あること、副作用が強く出ることが多いことなどから、入院で行われる場合が多くなります。
外来化学療法は入院の場合と異なる治療を行うわけではありません。外来でも可能と考えられる抗がん剤治療を患者と家族によく説明し、副作用が起こった際の連絡方法などもしっかりと伝えたうえで施行されています。
これを行う病院は、外来化学療法を行った患者に対する相談窓口を整備して、緊急事態にも対処できるようにしています。
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